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整形外科における間違いやすい算定とは?

毎日の整形外科の診療所は、お年寄りの腰痛、膝痛、学生や子供の外傷等で、とても混雑しています。私が勤務している診療所は1日200~250人程度の外来患者数ですので、毎日が忙しくとてもバタバタしています。

日々の外来の中で、先生が診療だけに集中できるように看護師や看護助手が全力でフォローし、そして医療事務員も算定ミス、会計ミスがないようにチェックを欠かすことはありません。
しかしながら、どんなに算定ミスがないように日々チェックをしいるつもりでも、レセプトの時期になり改めてチェックをしてみると、どうしてもいくつかの算定ミスが見つかってしまうのです。

今回は、整形外科の診療所におけるレセプトの間違いやすい算定や、返戻例等をご紹介します。

「慢性疼痛疾患管理料」の間違った認識

整形外科で算定できる代表的な管理料に「慢性疼痛疾患管理料」があります。この「慢性疼痛疾患管理料」とは、変形性関節症や筋筋膜性腰痛症等の疼痛を主病とし、疼痛による運動制限を改善する目的でマッサージや器具等による療法を行った場合に算定出来る点数で130点です。

簡単にいうと病名に、その患者様が慢性的に痛がっている病名があれば算定可能です。そのため、捻挫や挫傷の病名では算定できません。

慢性疼痛疾患管理料は月に1回算定可能で、月に1回であれば月初めでも月末でもいつでも算定可能です。しかし慢性疼痛疾患管理料を算定すると、同月内に消炎鎮痛処置(マッサージ等の手技による療法、器具等による療法、湿布処置)は算定できなくなります。
しかし、慢性疼痛疾患管理料を初回(初診から初めて)に算定する場合は、算定以前の消炎鎮痛処置は算定できることになっています。また外来管理加算も同様です。
ここを忘れて、慢性疼痛疾患管理料を算定しているから、消炎鎮痛処置は全てカットしていてはもったいない算定ミスになってしまいます。慢性疼痛疾患管理料を初めて算定する場合には、充分にチェックしてみてくださいね。

2.滑液包炎等の穿刺の算定間違いに注意

滑液包炎とは、膝や肘や足関節等の関節部分の袋が腫れる病気です。痛みを伴わないのがほとんどですが、関節の袋が大きく腫れる為受診した患者様のほとんどが、水腫を穿刺する処置を行います。

ここで注意が必要なのが、誤って「関節穿刺」の100点を算定してしまう場合です。
関節部分に針を刺して水腫を穿刺するので、間違いやすいのが事実です。

例えば、病名が「右足関節滑液包炎」だったとします。この病名で「関節穿刺」を算定していれば返戻されてきてしまいます。正しくは、「粘(滑)液嚢穿刺注入」の80点です。病名と処置内容が合致しているか、レセプトチェック時によく確認をしましょう。

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3.関節穿刺と関節腔内注射の同日施行時にはコメントを忘れずに

変形性膝関節症等の病名で、関節穿刺と関節腔内注射を同日に同部位に施行した場合には、主たる手技のみの算定になります。

先生の診察を見てみると分かると思いますが、例えば右膝の関節穿刺をしたとします。
関節穿刺後に針を抜き、同部位に改めて関節内注射は行わないですよね? 関節穿刺をした針を抜かずに、関節内注射の薬剤を注入しているはずです。そのため、算定をする際には関節穿刺の100点、そして関節内注射の薬剤のみの算定になります。

これをレセプトにした場合、審査員達は一見、関節内注射の手技の関節腔内注射がなく、薬剤のみ算定されているのに疑問に思う場合もあると思います。そのため、コメントで「関節穿刺と同日に同部位に施行の為、薬剤のみ算定しました」等のコメントを入れるようにしましょう。

レセプトを作成する際に一番考えてもらいたい事は、誰がみても分かる見やすいレセプトを作成する事を心がける事です。毎日の算定時に、分かりやすいレセプトを作成する事を心がける事で、診療に携わっていない外部の人が、レセプト用紙だけをみて、このように診察をしたのだなとその光景が浮かんでくるようであれば、見やすく分かりやすいレセプトと言えるでしょう。

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眠り姫の医療事務員

執筆者 

30代、女性、医療事務歴約10年、地方にある整形外科診療所に勤務している二児の女の子のママ。仕事の時はテキパキと、プライベートでは子供と一緒によく眠るのんびり屋です。