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クレームに発展させない!ありがちなトラブルとその対応

クレーム

歯科事務の仕事は患者さんの次回の予約を取ったり、電話応対をしたりなど、何かと一日中話をしなくてはいけない仕事です。もちろん中には無愛想な人もいますし、横柄な態度の方も必ずいます。

そんなちょっとクセのある人はトラブルになりがち、と思いますよね?実はその逆で、すごく愛想の良い人の方が厄介だったりすることが多い傾向があります。

というように、経験しなければ分からない、受付業務で起こりがちなトラブルやクレームに発展しやすい事柄をご紹介したいと思います。

人と接する機会が多い受付業務

受付業務は歯医者さんで働いている誰よりも患者さんと会話をする仕事です。診察室で働く歯科衛生士さん、助手さんなどは、診察前や、診察中のちょっとした待ち時間に、世間話程度だったり、治療についての説明などの短い時間です。

また、このような会話は必ず全ての患者さんと話すわけではないので、中には挨拶程度だけ、という場合も多いです。

一方、受付業務は次回の予約を取る必要があるため、日にちの希望を聞いたり、空いている時間帯を案内するなど、一方的に話すのではなく、相手の返事を聞き、そしてこちらも返答するという会話が必ず必要になります。

これは、ほとんど全ての患者さんに対して行いますから、患者数の多い歯科医院では一日中話していることになります。ちなみに私も一日、150人以上の患者さんを相手にした日は、黙っている時間はほんの少しで、後はずっと口を開いておりました。

たくさん話すということは、会話から発生するトラブルはもちろん、診察内容などで何か不快に思ったり、憤りを感じた場合の窓口になってしまいます。

自分は悪くないから知らないなんてことは決して言えませんので、相手の気持ちを尊重し、正しい対応をする必要ですし、歯科医院のイメージにも関わる問題なので非常に重要なのです。

ありがちなトラブル例

では、起こりがちなトラブルの具体例と、その解決法についてご紹介していきたいと思います。

解決法については、基本的にどの歯科医院でも対応できるものだと思いますが、中には院長先生の方針などで紹介する対応方法だとNGな場合もあります。読んでみて参考にしたり、取り入れられるものは実行してみてくださいね。

その① 予約してあるのに待ち時間が長い、または予約時間に診察を始めてもらえない。

歯科治療は基本的に予約制ですが、前の時間帯の治療が長引けばもちろん次の予約の患者さんの開始時間がズレ込んでしまいます。人間の体ですので、予定外の治療が必要な場合も多いです。

長く通院している方は、そういったことを理解してくれていることが多いですが、歯医者さんに不慣れな方は、不満に感じることが多いようです。

この場合は、丁寧に現在治療を行っている方が長引いてしまっている旨を説明して理解をしてもらうしかありません。

中には、時間に余裕のない方もいるので、このような事態になる前に、予約をゆったりめにして入れたり、時間がかかりそうな治療をする方が前の時間帯にいない場所へ予約を入れると良いでしょう。

その② 治療期間が長い。

歯科治療は長期間かかってしまうものが多いです。通常、治療に入る前に歯科医師から治療方針を説明されますので、納得してもらった上で行われることが一般的です。中には、キチンと説明しない先生もいれば、説明は受けたけれど忘れてしまって不満を感じるようになる方も少なくありません。

この場合は、なぜ時間がかかってしまうのかを丁寧に説明してあげて、今後どのような治療が必要で、どのくらいの期間がかかるか説明してあげましょう。

その際に気をつけて欲しいのが、日数を断定しないことです。断定してしまうと、病気の治りが悪く治療が長引いた時に、教えてもらった期間と違う!という新たなトラブルに発展しかねませんので、発言には気をつけて下さい。

その③ 行っていない治療が算定されている。

治療費の算定は、レセコンを使用し領収書を印刷するような形が一般的ですが、治療内容の入力は処置項目がセットになっているものも多く、行っていなくても一緒に入力されてしまうこともあります。また、領収書の発行点数などもあるため、治療していないと勘違いされやすいです。

治療内容については、入力されたものを信じるしかないので、なかなか防ぎづらいのですが、慣れてくると、その先生の治療内容のパターンが掴めてきます。パターン以外の治療内容が入力されていたら、その患者さんの治療のアシスタントについた人に、実際の治療内容を聞きにいくのも一つの手段です。

聞きに行くのは少し手間ではありますが、お金を頂いた後に「こんな治療やってないけど」と言われるよりはトラブルに発展するリスクが大分減ります。それでも発生してしまった場合は、謝罪して返金しましょう。

この時、必ず間違えている領収書は回収し、新しい領収書を渡して下さい。中には古い領収書を使用して、治療を受けたことにする方もいますので気をつけてください。

患者さんの話をきいてあげて問題を大きくしない

怒りを露わにしている方に対して、強くこちらが主張をするとかえって逆効果となるので注意が必要ですが、基本的にはなぜそのようなことになってしまったのか伝えてあげて下さい。専門的なことは、分かりやすいように言葉を変えて説明してあげましょう。

ですが、大抵の患者さんは話してしまえばスッキリしてしまい、なんであんなに怒っていたのか?と疑問を感じてしまうことも割と多いです。

話を聞いてもらえた=対応してくれたとなり、大事にならずに済むケースも多いので、相手の気持ちを考えて対処し、聞く姿勢も大切です。

ただし、内容によっては歯科医師からの説明も必要になりますので、患者さんから受けたこのような申し出は共有するようにした方が良いでしょう。

また、受付で解決すべき問題と、歯科医師から説明が必要な場合、という線引きを頭に入れておく必要もあります。特に自費診療などは個人差が激しい治療なので、誤ったことを伝えてしまうと問題を大きくしかねません。

予想で説明することは絶対に行わず、不明点は歯科衛生士さんや、歯科医師に説明してもらうようにしましょう。

思いやりを持って接することが大切

冒頭にお話したように、今回ご説明したトラブルは普段は気のいい方がいきなり怒ってしまうことが多いです。多分、疑問や不信感があってもニコニコしていて顔に出さず溜め込んでしまうためかと推測しておりますが、いづれにしてもとてもビックリします。

未然に防ぐことも大切ですが、どうしても回避できないものもありますので、そのような場面に対応しなければならないときは、とにかく落ち着いて相手の話を聞いてあげて下さい。

不満のはけ口にされるのは、こちらも嫌な気持ちになりますが、それを表に出せば解決することもできなくなってしまいます。業務も滞ってしまい良いことは一つもありません。

大切なのは相手を思いやる気持ちだと思いますので、納得してもらうにはどのようにしたら良いのかを考えて行動してみて下さいね。

トヨタマ

執筆者 

無資格、未経験で歯科医院で働き始めて、歯科助手を経て歯科事務職をこなすようになり、気が付けば一人でレセプトをするまでに。多忙な業務のため、鬱になり退職しましたが、未経験から働くためのノウハウをお伝えしたいです。