初心者でも大丈夫!レセコン入力のコツを掴んで業務の時間短縮へ
レセプト提出のためにも、レセコンを使用した作業は受付業務で必須となり、これが理解できないと業務をスムーズに行えません。
ですが、システム自体はそれほど難しくは無いので、スマートフォンやある程度パソコンを使用することができるのであれば心配しなくても、問題なく使用できるでしょう。
初心者ですと初めは戸惑うかもしれませんが歯科は、ある程度パターンが決まっていますので、回数をこなしていけば必ず慣れますので、それまでの期間をなるべく短くするためにも、ちょっとしたレセコンのコツをご紹介したいと思います。
保険診療の算定方法を覚えよう!
保険診療は定められた算定方法があり、自由に治療することはできません。
例えばP病名で行うスケーリングは、最初にP検と呼ばれる歯周ポケットの深さを測る検査を行ってからでないと開始できません。そして、行える範囲も決められており一度に全顎を除去できないなど決まりがあります。
こういった保険診療の算定の決まりは、レセコンもシステムとして入っているため、定められていない算定方法だと強行入力となり、スムーズに入力できません。
これによって、入力した内容が正しいものではないと教えてくれますし、大抵の診療はセットでプログラムされているため、全て覚えなくてもある程度はパソコンに任せて入力していけば問題ありません。
また、最後に入力した内容に誤りと思われることが含まれていると、エラー表示されるため気付きやすくなっていると思います。
レセコンはこのように、かなり使用者をサポートしてくれるので、歯科治療の流れがある程度理解できていれば簡単に操作できるでしょう。
レセプト時に特に注意すべき箇所
特に間違えやすい場所は部位と病名なので、入力されている部位が治療されているものと間違いないのか、この病名で本当に正しいのか、という点を中心に据えて1ヶ月分の全てのカルテに目を通していきます。
歯科治療は1回で終わることはほとんどなく、長くて1年近く治療を行わなくてはならない場合もあるため、部位や病名を間違うと全ての治療に影響してしまい、訂正が面倒になってしまいます。
特に根治は治療が長期になりがちですので、部位間違いは致命的となってきしまいます。治療した歯をブリッジの土台として使用する場合、部位が違うだけでブリッジの強度が足らなくなってしまうこともありますし、実際は別の治療が必要なのにPC上では治療済みになっていると治療できません。
また、P治療が終わらないと、形成し印象するという工程に移れませんので、並行して複数の治療を行なっている場合は注意しましょう。
特にやりがちなのが、SRPが終了して3回目のP検を行い形成に移ったけれど、部分的に歯石がついていたため、除去したり、中には点数稼ぎのために入力してしまう先生もいます。
この場合は、SRP(再SRP)を優先させるのであれば、4回目のP検を行わなければ、形成は算定できませんし、形成を算定したいのであればP処置を削除しなければなりません。
他にも、インレーをセット後すぐに、やはり痛みが出るため抜髄を行う際の除去の点数が取れなかったり、FMC除去とコアの除去も同時算定ができないのですが、意外とやりがちです。
小さな点数ではありますが、点数自体が少ない歯科治療は少しでも点数を稼ごうとして入力されていることが多いので、こういった点を中心に正しく算定されているかどうか確認していきましょう。
摘要欄と疑い病名を利用する
とりあえずレントゲンだけ撮影したり、投薬を行なって様子を見る場合は、今後どのような治療になるか分からないため、病名を断定してしまうと、その後にやはり違う病名だったと訂正するのが面倒になります。
初診の患者さんなどで、すぐに治療に入らずに簡単な処置で帰してしまう場合、今度どのような治療になるか分からないときなどに、病名の後ろに疑いと付けて「〇〇の疑い」という病名で入力します。
疑い病名の便利なところは、その後に病名が変更になっても、その旨を記載せずにレセプトを提出でき、手間がかかりません。
仮に病名が変更になったとしても摘要として、病名が変更になった理由などを記載すれば、よほどおかしなことをしていない限り、返戻にはならないので、不安な場合は摘要欄を使用して治療内容の補足を行なっていきましょう。
摘要の記載で悪くなるということはありませんので、どんどん利用してしまって大丈夫です。ただし、摘要を入力しても返戻になる場合もあるので、治療内容自体もしっかり確認していってください。
国保と社保の違い
この2種類に健康保険ですが、査定が厳しいのが社保で、比較的緩いのが国保となっており、レセプトチェックも社保は特に漏れが無いように確認していかないと、つまらないことで大量の返戻となって送られてきてしまいます。
やはり、民間だからか、少しでも支払う額を減らそうとかなり細かくチェックされてしまいます。一方、国保は多少のことでは返戻とならなかったり、保険者番号間違えなどのミスは電話がかかってきて、口頭で伝えるとそれで済ませてしまうことも多いです。
それと、国保の特徴としては、数ヶ月経過した後にまとめて返戻されてくるパターンが多く、その場合は同じ病名での算定ミスなどがほとんどです。
どちらもしっかり確認することが大前提ではありますが、このような違いがあることも知っておくと便利でしょう。
間違えない工夫をしながら慣れていこう
月末のレセプトチェックを少しでも楽にするためには、その日の治療を正確に入力することです。しかし、入力するのは歯科医師がほとんどですので、なかなか難しいところでもあります。
私は、お会計前に一度にチェックしておかしな点があれば本当に治療したのか確認して、削除したりなどを行なっておりました。ちょっと手間ではありますが、少しでも変なところを減らしておくと後でレセプトチェックが楽になります。
また、後で修正しようとすると記憶も曖昧になり、どのように直すべきか分からなくなってしまうことも多いので、なるべく問題点は速やかに解決させていく癖を付けていくと、業務が効率的に進められます。
レセプトは慣れるまでは大変ですが、回数を重ねていくとその先生の間違いを起こしやすい箇所が分かってきます。チェックするときにその辺を重点的に行うなど検討を付けられるようになってきますので、少しづつ慣れていきましょう。
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執筆者 トヨタマ
無資格、未経験で歯科医院で働き始めて、歯科助手を経て歯科事務職をこなすようになり、気が付けば一人でレセプトをするまでに。多忙な業務のため、鬱になり退職しましたが、未経験から働くためのノウハウをお伝えしたいです。