歯周基本治療処置
I011−3 歯周基本治療処置(1口腔につき)
10点
注
1 区分番号I011に掲げる歯周基本治療を行った部位に対して、薬剤により歯周疾患の処置(区分番号I010に掲げる歯周疾患処置を除く。)を行った場合は、月1回を限度として算定する。
2 区分番号I010に掲げる歯周疾患処置を算定した月は、歯周基本治療処置は別に算定できない。
3 薬剤に係る費用は、所定点数に含まれる。
通知
I011-3 歯周基本治療処置
- 歯周基本治療処置とは、歯周疾患において、歯周基本治療を行った部位に対して、歯周疾 患の症状の改善を目的として、薬剤による歯周ポケット内洗浄等の処置(区分番号I010 に掲げる歯周疾患処置を除く。)をいう。この場合において、1口腔につき月1回を限度として算定し、使用した薬剤名を診療録に記載する。
- I014 暫間固定
- (1) 暫間固定とは、歯の支持組織の負担を軽減し、歯槽骨の吸収を防止して、その再生治 癒を促進させるため、 暫間的に歯冠をレジン連続冠固定法、 線結紮法( 帯冠使用を含む。)又はエナメルボンドシステムにより連結固定することをいう。
- (2) 「1 簡単なもの」とは、暫間固定を行う部位において、歯周外科手術を行った歯数 が4歯未満の場合であって、固定源となる歯を歯数に含めない4歯未満の暫間固定をい う。
- (3) 「1 簡単なもの」を算定する場合は、同日又は他日にかかわらず1顎に2箇所以上 行っても1顎単位で算定する。
- (4) 「2 困難なもの」とは、暫間固定を行う部位において、歯周外科手術を行った歯数 が4歯以上の場合であって、固定源となる歯を歯数に含めない4歯以上の暫間固定をい う。なお、「2 困難なもの」を算定する場合は、暫間固定を行う部位ごとに算定する。
- (5) 歯周外科手術の術前に暫間固定を行った場合は、 暫間固定を行う歯数にかかわらず「1 簡単なもの」により算定する。なお、術前の期間中において、1顎につき1回を限度として算定する。
- (6) 歯周外科手術後に必要があって暫間固定を行う場合において、歯周外科手術を行った 歯数が4歯未満の場合は「1 簡単なもの」により算定する。ただし、術後に暫間固定 を行った後、再度当該処置を行う場合は、術後に暫間固定を行った日から起算して6月 経過後、1顎につき1回を限度として算定できる。
- (7) 歯周外科手術後に必要があって暫間固定を行う場合において、歯周外科手術を行った 歯数が4歯以上の場合は「2 困難なもの」により算定する。ただし、術後に暫間固定 を行った後、再度当該処置を行う場合は、術後に暫間固定を行った日から起算して6月経過後、1箇所につき、6月に1回を限度として算定できる。
- (8) 歯周外科手術と同時に行った暫間固定の「2 困難なもの」は、所定点数により算定 する。なお、歯周外科手術と同時に行った暫間固定の「1 簡単なもの」は、歯周外科 手術の所定点数に含まれ別に算定できない。
-
術前の
暫間固定術中の
暫間固定術後の
暫間固定
1回目術後の
暫間固定
2回目以降歯周外科
手術歯数
4歯未満①簡単なもの
※術前の期間中、
1顎につき1回に限る。
(備考欄イ)手術に
含まれる②簡単なもの
(備考欄ロ)③簡単なもの
※ ② の算定から6月経過後、
1 顎につき1 回に限る。
(備考欄ハ)歯周外科
手術歯数
4歯以上困難なもの ④困難なもの
(備考欄ロ)⑤困難なもの
※ ④ の算定から6月経過後、
6 月に1 回に限り算定できる。
(備考欄ニ)
-
- [備考]
- イ 歯周外科手術前の暫間固定(①)
固定した歯数にかかわらず「1 簡単なもの」により算定する。なお、術前の期間中において、1顎につき1回に限り算定する。 - ロ 歯周外科手術後の暫間固定(術後の暫間固定1回目)(②、④)
歯周外科手術を行った歯数が4歯未満である場合は「1 簡単なもの」により算定し、歯周外科手術を行った歯数が4歯以上である場合は「2 困難なもの」により 算定する。なお、当該暫間固定(術後の暫間固定1回目)は、術前の暫間固定の有 無及び手術日から経過期間にかかわらず算定できる。 - ハ 術後の暫間固定1回目から6月経過後の暫間固定(③)
歯周外科手術を行った歯数が4歯未満である場合は「1 簡単なもの」により算定し、1顎につき1回に限り算定できる。 - ニ 術後の暫間固定1回目から6月経過後の暫間固定(⑤)
歯周外科手術を行った歯数が4歯以上である場合は「2 困難なもの」により算定し、1箇所につき、前回暫間固定を算定した日から起算して6月に1回を限度に算定できる。
- イ 歯周外科手術前の暫間固定(①)
-
- (9) 歯周外科手術を行わない場合は、暫間固定を行う歯数に関わらず「1 簡単なもの」により算定する。なお、再度当該処置を行う場合は、前回暫間 固定を行った日から起算して6月経過後、1顎につき1回に限り算定できる。
- (10) 「3 著しく困難なもの」とは、連続鉤固定法及びレジン床固定法による暫間固定の ことをいう。
- (11) 暫間固定に際して印象採得、咬合採得、装着を行った場合は、副子と同様に算定する。
- (12) 暫間固定の固定源が有床義歯である場合は、「1 簡単なもの」及び有床義歯を合算して算定する。
- (1) 次の場合においては、「2 困難なもの」により算定する。
- イ 外傷性による歯の脱臼を暫間固定した場合
- ロ 区分番号J004に掲げる歯根端切除術の(5)による場合又は区分番号J004-2に掲げる歯の再植術を行い、脱臼歯を暫間固定した場合
- ハ 両側下顎乳中切歯のみ萌出している患者であって、外傷により1歯のみ脱臼し、 元の位置に整復固定した場合(双方の歯が脱臼している場合の整復固定は、歯科医 学上認められない。)
- ニ 区分番号J004-3に掲げる歯の移植手術に際して暫間固定を行った場合
この場合においては、 移植した歯 1 歯につき「 2 困難なもの」により算定する。
- (1) 次の場合においては、「2 困難なもの」により算定する。
- (14) 暫間固定装置を装着するに当たり、印象採得を行った場合は1装置につき区分番号M 003に掲げる印象採得の「3 副子」を、咬合採得を行った場合は、1装置につき装置の範囲に相当する歯数が8歯以下のときは区分番号M006に掲げる咬合採得の「2 のロの(1) 少数歯欠損」を、装置の範囲に相当する歯数が9歯以上のときは区分番号 M006に掲げる咬合採得の「2のロの(2) 多数歯欠損」又は装置の範囲に相当する歯数が全歯にわたる場合は区分番号M006に掲げる咬合採得の「2のロの(3) 総義 歯」の所定点数を、装着を行った場合は1装置につき区分番号M005に掲げる装着の「3 副子の装着の場合」の所定点数及び装着材料料を算定する。ただし、エナメルボ ンドシステムにより連結固定を行った場合は、M005に掲げる装着及び装着材料料は 別に算定できない。
- (15) エナメルボンドシステムにより暫間固定を行った場合の除去料は別に算定できない。