第21 地域移行機能強化病棟入院料
第21 地域移行機能強化病棟入院料
- 1 地域移行機能強化病棟入院料の施設基準等
- (1) 医療法の規定に基づき許可を受け、若しくは届出をし、又は承認を受けた病床の数以上の入院患者を入院させていないこと。
- (2) 当該保険医療機関に医療法施行規則第19条第1項第1号に定める医師の員数以上の員数が配置されていること。
- (3) 当該病棟に精神科医師である常勤の専任医師及び常勤の専任作業療法士又は作業療法の経験を有する常勤の看護職員が配置されていること。なお、作業療法の経験を有する看護職員とは、専門機関等が主催する作業療法又は生活技能訓練に関する所定の研修を修了したものであること。
- (4) 当該病棟における専任の精神科医師は他の病棟に配置される医師と兼任はできない。また、当該医師の外来業務及び他病棟の入院患者の診療業務への従事は週2日以内とすること。
- (5) 当該各病棟において、日勤時間帯以外の時間帯にあっては看護要員、作業療法士及び精神保健福祉士が常時2人以上配置されており、そのうち1名以上は看護職員であること。
- (6) 当該病棟において、看護要員の病棟勤務時間を算出する際には、当該保険医療機関内及び当該保険医療機関外で、退院支援業務に従事している時間を含めることができること。従事している時間に含めることができる当該保険医療機関外での退院支援業務は、患者家族等への訪問指導、障害福祉サービス又は介護保険サービスの事業所及び市役所、区役所又は町村役場等で患者が行う諸手続への同行及び障害福祉サービス事業所担当者等、退院後の患者の日常生活の支援を行う者との調整に限られること。
- (7) 当該保険医療機関に常勤の臨床心理技術者が配置されていること。
- (8) 当該病棟に2名以上(入院患者の数が40を超える場合は3名以上)の専従の常勤精神保健福祉士が配置されていること。ただし、当該病棟の入院患者の数が40を超える場合であって、身体合併症等を有する患者の退院支援業務のために必要な場合には、2名の専従の常勤精神保健福祉士と、1名の専従の常勤社会福祉士が配置されていればよいこと。
- (9) 当該保険医療機関内に退院支援部署を設置し、専従する1人の従事者(看護師、作業療法士、精神保健福祉士、社会福祉士又は臨床心理技術者のうちいずれか1名)が配置されていること。退院支援部署と精神科地域移行実施加算の地域移行推進室は同一でもよい。当該専従の従 事者は、区分番号「A312」に掲げる精神療養病棟入院料の「注5」等の施設基準において、退院支援部署に配置することとされている専従の従事者とみなすことができる。また、退院支援部署に専従する従事者が精神保健福祉士の場合には、当該精神保健福祉士は、精神科地域移行実施加算の地域移行推進室と兼務することができる。
- (10) 当該病棟の入院患者の退院に向けた相談支援業務等を行う者(以下「退院支援相談員」という)を、当該病棟に入院した患者1人につき1人以上指定し、当該保険医療機関内に配置していること。なお、退院支援相談員は、以下のいずれかの者であること。
- ア 精神保健福祉士(当該病棟専従の者でも可)
- イ 保健師、看護師、准看護師、作業療法士又は社会福祉士として、精神障害者に関する業務に従事した経験を3年以上有する者
- (11) 1人の退院支援相談員が同時に担当する患者の数は20以下であること。また、退院支援相談員が担当する患者の一覧を作成していること。
- (12) 退院支援相談員の担当する当該病棟の入院患者について退院に向けた支援を推進するための委員会(「退院支援委員会」という)を設置していること。
- (13) 当該病棟の病床数は、1看護単位当たり60床以下であること。
- (14) 届出時点で、以下のいずれの要件も満たしていること。
- ア 届出前月に、以下の(a)又は(b)いずれか小さい値を(c)で除して算出される数値が0.9以上であること。なお、届出に先立ち精神病床の許可病床数を減少させることにより0.9以上としても差し支えないこと。
- (a)届出前月の当該保険医療機関全体の精神病棟における平均入院患者数
- (b)届出前1年間の当該保険医療機関全体の精神病棟における平均入院患者数
- (c)届出前月末日時点での精神病床に係る許可病床数
- イ 以下の式で算出される数値が1.5%以上であること。なお、自宅等への退院とは、患家、精神障害者施設、特別養護老人ホーム又は介護老人保健施設(介護保健施設サービス費 (Ⅰ)の(ⅱ)若しくは(ⅳ)、ユニット型介護保健施設サービス費(Ⅰ)の(ⅱ)若しくは(ⅳ)又は在宅復帰・在宅療養支援機能加算の届出を行っているもの)へ移行することをいう。当該保険医療機関に1年以上入院していた患者のうち、当該病棟から自宅等に退院した患者の数の1か月当たりの平均(届出の前月までの3か月間における平均)÷当該病棟の届出病床数×100(%)
- (15) 算定開始以降、各月末時点で、以下の式で算出される数値が1.5%以上であること。当該保険医療機関に1年以上入院していた患者のうち、算定開始以降に当該病棟から自宅等に退院した患者数の1か月当たりの平均(地域移行機能強化病棟入院料を算定した全期間における平均)÷当該病棟の届出病床数 ×100(%)
- (16) 算定開始以降、1年ごとに1回以上、当該保険医療機関全体の精神病床について、当該保険医療機関の所在する都道府県に許可病床数変更の許可申請を行っていること。算定開始月の翌年以降の同じ月における許可病床数は、以下の式で算出される数値以下であること。届出前月末日時点での精神病床の許可病床数-(当該病棟の届出病床数の5分の1×当該病棟の算定年数)
- (17) 地域移行機能強化病棟入院料に係る届出を取り下げる際には、許可病床数が以下の式で算出される数値以下であること。届出前月末日時点での精神病床の許可病床数-(当該病棟の届出病床数の5分の1×当該病棟の算定月数÷12)
- (18) 保健所、市区町村の障害福祉担当部署、指定特定相談支援事業者及び指定一般相談支援事業者と連携を有していること。当該保険医療機関の担当者をあらかじめ指定し、その連絡先を保健所等に文書で情報提供するとともに、保健所等の担当者の氏名及び連絡先の提供を受けていること。
- 2 重症者加算1の施設基準 当該病棟を有する保険医療機関が以下のいずれかの要件を満たすこと。
- (1) 精神療養病棟入院料の重症者加算1の届出を行っていること。
- (2) 以下のいずれかの要件を満たすこと
- ア 精神科救急医療体制整備事業の常時対応型精神科救急医療施設、身体合併症対応施設、地域搬送受入対応施設又は身体合併症後方搬送対応施設であること。
- イ 精神科救急医療体制整備事業の輪番対応型精神科救急医療施設又は協力施設であって、(イ)又は(ロ)のいずれかに該当すること。
- (イ) 時間外、休日又は深夜における入院件数が年4件以上であること。そのうち1件以上は、精神科救急情報センター(精神科救急医療体制整備事業)、救急医療情報センター、救命救急センター、一般医療機関、都道府県(政令市の地域を含むものとする。以下重症者加算1において同じ。)、市町村、保健所、警察、消防(救急車)等からの依頼であること。
- (ロ) 時間外、休日又は深夜における外来対応件数が年10件以上であること。なお、精神科救急情報センター(精神科救急医療体制整備事業)、救急医療情報センター、救命救急センター、一般医療機関、都道府県、市町村、保健所、警察、消防(救急車)等からの依頼の場合は、日中の対応であっても件数に含む。
- ウ 当該保険医療機関の精神保健指定医が、精神科救急医療体制の確保への協力を行っていること。具体的には(イ)又は(ロ)のいずれかに該当すること。
- (イ) 時間外、休日又は深夜における外来対応施設(自治体等の夜間・休日急患センター等や精神科救急医療体制整備事業の常時対応型又は輪番型の外来対応施設等)での外来診療又は救急医療機関への診療協力(外来、当直又は対診)を年6回以上行うこと。(いずれも精神科医療を必要とする患者の診療を行うこと。)
- (ロ) 精神保健福祉法上の精神保健指定医の公務員としての業務(措置診察等)について、都道府県に積極的に協力し、診察業務等を年1回以上行うこと。具体的には、都道府県に連絡先等を登録し、都道府県の依頼による公務員としての業務等に参画し、①から⑤までのいずれかの診察又は業務を年1回以上行うこと。
- ① 措置入院及び緊急措置入院時の診察
- ② 医療保護入院及び応急入院のための移送時の診察
- ③ 精神医療審査会における業務
- ④ 精神科病院への立入検査での診察
- ⑤ その他都道府県の依頼による公務員としての業務
- 3 届出に関する事項
- 地域移行機能強化病棟入院料に係る届出は、別添7の様式9、様式20(作業療法等の経験を有する看護職員及び専従の社会福祉士(身体合併症等を有する患者の退院支援業務のために2名の専従の常勤精神保健福祉士に加えて配置する場合に限る。)については、その旨を備考欄に記載すること。)及び様式57の4を用いること。また、当該届出は平成32年3月31日までに限り行うことができるものであること。
なお、重症者加算1について、精神療養病棟入院料の重症者加算1の届出を行っている場合は、地域移行機能強化病棟入院料の重症者加算1として特に地方厚生(支)局長に対して届出を行う必要はないこと。
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