第9部 処置
通則
- 1 処置の費用は、第1節の各区分の所定点数により算定する。この場合において、処置に当たって通常使用される保険医療材料の費用は、第1節の各区分の所定点数に含まれるものとする。
- 2 処置に当たって、第2節に掲げる医療機器等、薬剤又は別に厚生労働大臣が定める保険医療材料(以下この部において「特定保険医療材料」という。)を使用した場合は、前号により算定した点数及び第2節、第3節又は第4節の各区分の所定点数を合算した点数により算定する。
- 3 第1節に掲げられていない処置であって簡単な処置の費用は、薬剤又は特定保険医療材料を使用したときに限り、第3節又は第4節の各区分の所定点数のみにより算定する。
- 4 第1節に掲げられていない処置であって特殊な処置の処置料は、同節に掲げられている処置のうちで最も近似する処置の各区分の所定点数により算定する。
- 5 緊急のために休日に処置を行った場合又はその開始時間が保険医療機関の表示する診療時間以外の時間若しくは深夜である処置を行った場合において、当該処置の費用は、次に掲げる点数を、それぞれ所定点数に加算した点数により算定する。
- イ 処置の所定点数が1,000点以上の場合であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合
- (1) 休日加算1 所定点数の100分の160に相当する点数
- (2) 時間外加算1(入院中の患者以外の患者に対して行われる場合に限る。)所定点数の100分の80に相当する点数
- (3) 深夜加算1 所定点数の100分の160に相当する点数
- (4) ( 1 )から(3)までにかかわらず、区分番号A000に掲げる初診料の注7のただし書に規定する保険医療機関において、入院中の患者以外の患者に対して、その開始時間が同注のただし書に規定する時間である処置を行った場合所定点数の100分の80に相当する点数
- ロ 処置の所定点数が150点以上の場合であって、入院中の患者以外の患者に対して行われる場合(イに該当する場合を除く。)
- (1) 休日加算2 所定点数の100分の80に相当する点数
- (2) 時間外加算2 所定点数の100分の40に相当する点数
- (3) 深夜加算2 所定点数の100分の80に相当する点数
- (4) ( 1 )から(3)までにかかわらず、区分番号A000に掲げる初診料の注7のただし書に規定する保険医療機関において、その開始時間が同注のただし書に規定する時間である処置を行った場合所定点数の100分の40に相当する点数
- 6 対称器官に係る処置の各区分の所定点数は、特に規定する場合を除き、両側の器官の処置料に係る点数とする。
通知
通則
- 1 処置の費用は、第1節処置料及び第2節処置医療機器等加算、第3節薬剤料又は第4節特定保険医療材料料に掲げる所定点数を合算した点数によって算定する。この場合において、処置に当たって通常使用される包帯(頭部・頸部・躯幹等固定用伸縮性包帯を含む。)、ガーゼ等衛生材料、患者の衣類及び保険医療材料の費用は、所定点数に含まれており、別に算定できない。
なお、処置に用いる衛生材料を患者に持参させ、又は処方せんにより投与するなど患者の自己負担とすることは認められない。 - 2 特に規定する場合を除き、患者に対して特定保険医療材料又は薬剤を支給したときは、これに要する費用として、特定保険医療材料については「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)」の定めるところにより、薬剤については「使用薬剤の薬価(薬価基準)」の定めるところにより算定する。なお、この場合、薬剤費の算定の単位は1回に使用した総量の価格であり、患者に対して施用した場合に限り、特に規定する場合を除き算定できるものであるが、投薬の部に掲げる処方料、調剤料、処方せん料及び調剤技術基本料並びに注射の部に掲げる注射料は、別に算定できない。
- 3 浣腸、注腸、吸入、100平方センチメートル未満の第1度熱傷の熱傷処置、100平方センチメートル未満の皮膚科軟膏処置、洗眼、点眼、点耳、簡単な耳垢栓除去、鼻洗浄、狭い範囲の湿布処置その他第1節処置料に掲げられていない処置であって簡単な処置(簡単な物理療法を含む。)の費用は、基本診療料に含まれるものとし、別に算定することはできない。
なお、処置に対する費用が別に算定できない場合(処置後の薬剤病巣撒布を含む。)であっても、処置に際して薬剤を使用した場合には、第3節薬剤料に定めるところにより薬剤料を算定することはできる。 - 4 通則5の入院中の患者以外の患者に対する処置の休日加算1、時間外加算1又は深夜加算1(以下「時間外等加算1」という。)は、次のア又はイの場合であって、所定点数が1,000点以上の緊急処置の場合についてのみ算定できる。
- ア 区分番号「A000」の注7、区分番号「A001」の注5、区分番号「A002」の注8に規定する加算を算定する初診又は再診に引き続き行われた場合。ただし、区分番号「A000」の注9又は区分番号「A001」の注7に規定する夜間・早朝等加算を算定する初診若しくは再診に引き続き行われた場合は対象とならない。なお、当該処置の開始時間が入院手続の後であっても、当該加算は算定できる。
- イ 初診又は再診に引き続いて、緊急処置に必要不可欠な検査等を行った後、速やかに緊急処置(休日に行うもの又はその開始時間が診療時間以外の時間若しくは深夜であるものに限る。)を開始した場合であって、当該初診又は再診から処置の開始時間までの間が8時間以内である場合(当該処置の開始時間が入院手続きの後の場合を含む。)
- 5 通則5の休日加算2、時間外加算2又は深夜加算2(以下「時間外加算等」という。)は、区分番号「A000」の注7、区分番号「A001」の注5、区分番号「A002」の注8に規定する加算を算定する初診又は再診に引き続き行われた所定点数が150点以上の緊急処置の場合についてのみ算定できるものであり、区分番号「A000」の注9又は区分番号「A001」の注7に規定する夜間・早朝等加算を算定する初診若しくは再診に引き続き行われた場合又は入院中の患者に対して行われた場合については対象とならない。なお、当該処置の開始時間が入院手続の後であっても当該加算は算定できる。
- 6 通則5の入院中の患者に対する処置の休日加算1又は深夜加算1は、病状の急変により、休日に緊急処置を行った場合又は開始時間が深夜である緊急処置を行った場合であって、所定点数が1,000点以上の緊急処置を行った場合に算定できる。
- 7 通則5の時間外等加算1は、当該加算を算定するものとして、地方厚生(支)局長に届出を行っている診療科において処置を実施した場合に限り算定できる。
- 8 処置の開始時間とは、患者に対し直接施療した時とする。なお、処置料において「1日につき」とあるものは午前0時より午後12時までのことであり、午前0時前に処置を開始し、午前0時以降に処置が終了した場合には、処置を行った初日のみ時間外加算等を算定し、午前0時以降の2日目については算定できない。
- 9 処置が保険医療機関又は保険医の都合により時間外となった場合は時間外加算等は算定できない。
- 10 時間外加算等に係る「所定点数」とは、第1節処置料に掲げられた点数及び各注による加算(プラスチックギプス加算及びギプスに係る乳幼児加算を含む。)を合計した点数であり、第2節、第3節及び第4節における費用は含まない。
- 11 4から10までに規定する他、時間外加算等の取扱いについては、初診料における場合と同様である。
- 12 「通則6」における「特に規定する場合」とは、処置名の末尾に「片側」、「1肢につき」等と記入したものをいう。両眼に異なる疾患を有し、それぞれ異なった処置を行った場合は、その部分についてそれぞれ別に算定できる。
- 13 第1節に掲げられていない特殊な処置の処置料は、その都度当局に内議し、最も近似する処置として準用が通知された算定方法により算定する。
- 14 血腫、膿腫その他における穿刺は、新生児頭血腫又はこれに準ずる程度のものに対して行う場合は、区分番号「J059-2」血腫、膿腫穿刺により算定できるが、小範囲のものや試験穿刺については、算定できない。
もくじ
- 第1節 処置料
- (一般処置)
- J000 創傷処置
- J001 熱傷処置
- J001-2 絆創膏固定術
- J001-3 鎖骨又は肋骨骨折固定術
- J001-4 重度褥瘡処置
- J001-5 長期療養患者褥瘡等処置
- J001-6 精神病棟等長期療養患者褥瘡等処置
- J001-7 爪甲除去
- J001-8 穿刺排膿後薬液注入
- J001-9 空洞切開術後ヨードホルムガーゼ処置
- J002 ドレーン法(ドレナージ)
- J003 局所陰圧閉鎖処置(入院)
- J003-2 局所陰圧閉鎖処置(入院外)
- J004 流注膿瘍穿刺
- J005 脳室穿刺
- J006 後頭下穿刺
- J007 頸椎、胸椎又は腰椎穿刺
- J007-2 硬膜外自家血注入
- J008 胸腔穿刺(洗浄、注入及び排液を含む。)
- J009 削除
- J010 腹腔穿刺(人工気腹、洗浄、注入及び排液を含む。)
- J010-2 経皮的肝膿瘍等穿刺術
- J011 骨髄穿刺
- J012 腎嚢胞又は水腎症穿刺
- J013 ダグラス窩穿刺
- J014 乳腺穿刺
- J015 甲状腺穿刺
- J016 リンパ節等穿刺
- J017 エタノールの局所注入
- J017-2 リンパ管腫局所注入
- J018 喀痰吸引
- J018-2 内視鏡下気管支分泌物吸引
- J018-3 干渉低周波去痰器による喀痰排出
- J019 持続的胸腔ドレナージ
- J019-2 削除
- J020 胃持続ドレナージ(開始日)
- J021 持続的腹腔ドレナージ(開始日)
- J022 高位浣腸、高圧浣腸、洗腸
- J022―2 摘便
- J022-3 腰椎麻酔下直腸内異物除去
- J022-4 腸内ガス排気処置(開腹手術後)
- J022-5 持続的難治性下痢便ドレナージ(開始日)
- J023 気管支カテーテル薬液注入法
- J024 酸素吸入
- J024-2 突発性難聴に対する酸素療法
- J025 酸素テント
- J026 間歇的陽圧吸入法
- J026-2 鼻マスク式補助換気法
- J026-3 体外式陰圧人工呼吸器治療
- J026―4 ハイフローセラピー
- J027 高気圧酸素治療
- J028 インキュベーター
- J029 鉄の肺
- J029-2 減圧タンク療法
- J030 食道ブジー法
- J031 直腸ブジー法
- J032 肛門拡張法(徒手又はブジーによるもの)
- J033 削除
- J034 イレウス用ロングチューブ挿入法
- J034-2 EDチューブ挿入術
- J035 削除
- J036 非還納性ヘルニア徒手整復法
- J037 痔核嵌頓整復法(脱肛を含む。)
- J038 人工腎臓
- J038-2 持続緩徐式血液濾過
- J039 血漿交換療法
- J040 局所灌流
- J041 吸着式血液浄化法
- J041-2 血球成分除去療法
- J042 腹膜灌流
- J043 新生児高ビリルビン血症に対する光線療法
- J043-2 瀉血療法
- J043-3 ストーマ処置
- J043-4 経管栄養カテーテル交換法
- J043-5 尿路ストーマカテーテル交換法
- J043-6 人工膵臓療法
- J044 救命のための気管内挿管
- J044-2 体表面ペーシング法又は食道ペーシング法
- J045 人工呼吸
- J045-2 一酸化窒素吸入療法
- J046 非開胸的心マッサージ
- J047 カウンターショック
- J047-2 心腔内除細動
- J048 心膜穿刺
- J049 食道圧迫止血チューブ挿入法
- J050 気管内洗浄
- J051 胃洗浄
- J052 ショックパンツ
- J052-2 熱傷温浴療法
- J053 皮膚科軟膏処置
- J054 皮膚科光線療法
- J054-2 皮膚レーザー照射療法
- J055 いぼ焼灼法
- J055-2 イオントフォレーゼ
- J055-3 臍肉芽腫切除術
- J056 いぼ冷凍凝固法
- J057 軟属腫摘除
- J057-2 面皰圧出法
- J057-3 鶏眼・胼胝処置
- J057-4 稗粒腫摘除
- J058 膀胱穿刺
- J059 陰嚢水腫穿刺
- J059-2 血腫、膿腫穿刺
- J060 膀胱洗浄
- J060-2 後部尿道洗浄(ウルツマン)
- J061 腎盂洗浄
- J062 腎盂内注入(尿管カテーテル法を含む。)
- J063 留置カテーテル設置
- J064 導尿(尿道拡張を要するもの)
- J065 間歇的導尿
- J066 尿道拡張法
- J066-2 タイダール自動膀胱洗浄
- J067 誘導ブジー法
- J068 嵌頓包茎整復法(陰茎絞扼等)
- J069 前立腺液圧出法
- J070 前立腺冷温榻
- J070-2 干渉低周波による膀胱等刺激法
- J070-3 冷却痔処置
- J070-4 磁気による膀胱等刺激法
- J071 羊水穿刺(羊水過多症の場合)
- J072 腟洗浄(熱性洗浄を含む。)
- J073 子宮腔洗浄(薬液注入を含む。)
- J074 卵管内薬液注入法
- J075 陣痛誘発のための卵膜外薬液注入法
- J076 子宮頸管内への薬物挿入法
- J077 子宮出血止血法
- J078 子宮腟部薬物焼灼法
- J079 子宮腟部焼灼法
- J080 子宮頸管拡張及び分娩誘発法
- J081 分娩時鈍性頸管拡張法
- J082 子宮脱非観血的整復法(ペッサリー)
- J082-2 薬物放出子宮内システム処置
- J083 妊娠子宮嵌頓非観血的整復法
- J084 胎盤圧出法
- J085 クリステル胎児圧出法
- J085-2 人工羊水注入法
- (眼科処置)
- J086 眼処置
- J086-2 義眼処置
- J087 前房穿刺又は注射(前房内注入を含む。)
- J088 霰粒腫の穿刺
- J089 睫毛抜去
- J090 結膜異物除去
- J091 鼻涙管ブジー法
- J091-2 鼻涙管ブジー法後薬液涙嚢洗浄
- J092 涙嚢ブジー法(洗浄を含む。)
- J093 強膜マッサージ
- J094 削除
- (耳鼻咽喉科処置)
- J095 耳処置(耳浴及び耳洗浄を含む。)
- J095-2 鼓室処置
- J096 耳管処置(耳管通気法、鼓膜マッサージ及び鼻内処置を含む。)
- J097 鼻処置(鼻吸引、単純鼻出血及び鼻前庭の処置を含む。)
- J097-2 副鼻腔自然口開大処置
- J098 口腔、咽頭処置
- J098-2 扁桃処置
- J099 間接喉頭鏡下喉頭処置(喉頭注入を含む。)
- J100 副鼻腔手術後の処置
- J101 鼓室穿刺
- J102 上顎洞穿刺
- J103 扁桃周囲膿瘍穿刺(扁桃周囲炎を含む。)
- J104 唾液腺管洗浄
- J105 副鼻腔洗浄又は吸引(注入を含む。)
- J106及びJ107 削除
- J108 鼻出血止血法(ガーゼタンポン又はバルーンによるもの)
- J109 鼻咽腔止血法(ベロック止血法)
- J110 削除
- J111 耳管ブジー法(通気法又は鼓膜マッサージの併施を含む。)
- J112 唾液腺管ブジー法
- J113 耳垢栓塞除去(複雑なもの)
- J114 ネブライザー
- J115 超音波ネブライザー
- (整形外科的処置)
- J116 関節穿刺
- J116-2 粘(滑)液嚢穿刺注入
- J116-3 ガングリオン穿刺術
- J116-4 ガングリオン圧砕法
- J117 鋼線等による直達牽引
- J118 介達牽引
- J118-2 矯正固定
- J118-3 変形機械矯正術
- J118-4 歩行運動処置(ロボットスーツによるもの)
- J119 消炎鎮痛等処置
- J119-2 腰部又は胸部固定帯固定
- J119-3 低出力レーザー照射
- J119-4 肛門処置
- (栄養処置)
- J120 鼻腔栄養
- J121 滋養浣腸
- (ギプス)
- J122 四肢ギプス包帯
- J123 体幹ギプス包帯
- J124 鎖骨ギプス包帯
- J125 ギプスベッド
- J126 斜頸矯正ギプス包帯
- J127 先天性股関節脱臼ギプス包帯
- J128 脊椎側弯矯正ギプス包帯
- J129 治療装具の採型ギプス
- J129-2 練習用仮義足又は仮義手
- J129-3 義肢装具採寸法
- J129-4 治療装具採型法
- 第2節 処置医療機器等加算
- 第3節 薬剤料
- 第4節 特定保険医療材料料