ポンティック
M017 ポンティック(1歯につき)
434点
注
1 レジン前装金属ポンティックは、746点を所定点数に加算する。
2 金属裏装ポンティックは、320点を所定点数に加算する。
通知
M017 ポンティック
- (1) 臼歯部のポンティックにレジン歯の使用は認められないが、咬合面を金属で製作し他 の部分にレジン前装を施した場合は認められる。
- (2) 延長ブリッジの場合の7番ポンティックの保険医療材料料は小臼歯(鋳造ポンティッ クの保険医療材料料の小臼歯)に該当する保険医療材料料を算定する。
- (3) レジン前装金属ポンティックとは、鋳造方式により製作されたポンティックの唇面を 硬質レジンにより前装したものをいう。
- (4) レジン前装金属ポンティックは、前歯の支台歯をレジン前装金属冠又は4分の3冠に より製作されたブリッジの前歯のものに限り認められる。ただし、3番、4番の2歯欠 損は、小臼歯のレジン前装金属ポンティックを算定できる。
- (5) 可動性固定ブリッジ(半固定性ブリッジ)の可動性連結装置を使用した場合は、区分 番号M010に掲げる金属歯冠修復の「1のロ 複雑なもの」及び区分番号M001に 掲げる歯冠形成の「3のロ 複雑なもの」を算定する。
- (6) ブリッジの製作に当たり、支台歯の植立方向によりポンティックを分割して製作する ことは認められない。
- (7) ブリッジは、次の適用による。
- イ ブリッジの給付について
- (イ) ブリッジは歯の欠損状況から「ブリッジについての考え方2007」(平成19年11 月日本歯科医学会)に示す方法で支台歯数等を定め製作する。
- (ロ) 連続欠損の場合は2歯までとする。ただし、中側切歯は連続4歯欠損まで認め られる。
- (ハ) 延長ブリッジは原則として認められないが、第二大臼歯欠損であって咬合状態及び支台歯の骨植状態を考慮し半歯程度のポンティックを行う場合はこの限りで ない。
- (ニ) 隣接歯の処置状況等からやむをえず延長ブリッジを行う場合は、側切歯及び小 臼歯1歯のみ認められる。
- (ホ) 第三大臼歯をブリッジの支台歯とする場合は、歯冠、歯根の大きさや形態、傾 斜、転位等を総合的に勘案した上で行う。
- (ヘ) 接着ブリッジは、1歯欠損症例において、接着ブリッジ支台歯を生活歯に求め る場合に認められる。
- (ト) 残根上のブリッジは認められない。
- ロ ブリッジ設計の考え方
- ブリッジの設計は、「ブリッジについての考え方2007」(平成19年11月日本歯科医 学会)による。
- イ ブリッジの給付について
- (8) 分割抜歯後のブリッジの製作
- イ 第1、第2大臼歯を分割抜歯してブリッジの支台歯とすることは、「ブリッジにつ いての考え方2007」(平成19年11月日本歯科医学会)の「5 咬合力の負担からみた ブリッジの適応症と設計、4)その他(歯根を分割抜去した大臼歯に対するブリッジの適用について)」の項を参照し、残った歯冠、歯根の状態が歯科医学的に適切な場 合に限り認められる。なお、上顎第2大臼歯の遠心頬側根抜歯、下顎第2大臼歯の遠心根抜歯の場合の延 長ポンティックは認められない。
- ロ 分割抜歯を行った場合の指数は、次のとおりとする。
- (イ)下顎の場合、残った歯根はR=2、欠損部をポンティックとしたときはF=4 とする。
- (ロ) 上顎の場合、残った歯根は1根につきRを1とするが、1根のみの支台歯は歯 科医学的に適切ではないので認められない。ブリッジの支台歯となるのは、口蓋 根と頬側の1根が残った場合、残った歯根はR=2、欠損部をポンティックとし たときはF=4とする。また、頬側の2根のみが残った場合は口蓋根部のポンティックは必要とされないことから残った歯根はR=2のみとする。
- 例①(第1大臼歯の遠心根を抜歯した場合)
指数 2 4 6 歯種 6 6 7 r=8-4=4
F=4
4/3=1.3・・・
6の残した根も7のRもFの1/3を超える
ので、条件を満たしている。○ ● ● R 2 6 F 4 - 例②(第1大臼歯の遠心根と第2大臼歯を抜歯した場合)
-
指数 2 4 6 4 指数 4 2 4 6 4 歯種 6 6 7 8 → 歯種 5 6 6 7 8 ○ ● ● ○ ○ ○ ● ● ○ R 2 4 R 4 2 4 F 4 6 F 4 6
-
- 例①(第1大臼歯の遠心根を抜歯した場合)
- ハ 上顎の第1又は第2大臼歯を3根のうち2根残して分割抜歯してブリッジの支台歯 とする場合は、頬側2根を残した場合は大臼歯として、又頬側いずれか1根と口蓋根 を残した場合は支台歯としての小臼歯歯冠修復と小臼歯のポンティックとして算定し て差し支えない。単独冠として行う場合は、大臼歯の歯冠修復として算定して差し支 えない。
- ニ 下顎の第1又は第2大臼歯を近遠心2根のうち1根を残して分割抜歯してブリッジ の支台とする場合は、1根を支台歯としての小臼歯歯冠修復と小臼歯ポンティックと して算定して差し支えない。単独冠として行う場合は、小臼歯の歯冠修復として算定 して差し支えない。
- (9) ブリッジを装着するに当たり、印象採得を行った場合は、1装置につき区分番号M0 03に掲げる印象採得の「2のニの(1) 支台歯とポンティックの数の合計が5歯以下 の場合」 又は区分「 2 のニの(2 ) 支台歯とポンティックの数の合計が 6 歯以上の場 合」 を、 咬合採得を行った場合は 1装置につき区分番号M 006 に掲げる咬合採得の「2のイの(1) 支台歯とポンティックの数の合計が5歯以下の場合」又は区分番号M 006に掲げる咬合採得の「2のイの(2) 支台歯とポンティックの数の合計が6歯以 上の場合」を、装着した場合は支台装置の装着は1歯につき区分番号M005に掲げる 装着の「1歯冠修復」及び保険医療材料料を、ブリッジの装着は1装置につき区分番 号M005に掲げる装着の「2のイ ブリッジ」の各区分の所定点数を算定する。
- (10) 必要があって根を分離切断した下顎大臼歯を支台歯として使う場合の指数は「6」と して大臼歯1歯の取扱いとする。ただし、分離切断したのであるから、実態に合わせて 指数を減ずることを考慮すべきである。
- (11) インレーを支台装置とするブリッジは、窩洞形成を行った場合は区分番号M001に 掲げる歯冠形成の「 3のロ 複雑なもの」 により算定する。 なお、全ての支台をインレ ーとするブリッジは区分番号M000-2に掲げるクラウン・ブリッジ維持管理料の対象としないことから、区分番号M000-2に掲げるクラウン・ブリッジ維持管理料は 算定できない。
- (12)「ブリッジについての考え方2007」(平成19年11月日本歯科医学会)の判定条件におけるブリッジの1側の支台歯のRの総計が、隣接するポンティックのF及びF・Sの総計の3分の1以上であるという判定条件bは延長ブリッジは適用しない旨のただし書は、 延長したポンティックについては片側に支台歯が存在しないのでそのポンティックのバランスは考慮しないとの意である。したがって、 の場合 部は判定条件bにかかわっていないので、 基本となるブリッジ において条件bを判定することになる。 この場合は判定条件bを満たしていないので、 もブリッジの設計としては不適である。
- (13) 「ブリッジについての考え方2007」(平成19年11月日本歯科医学会)によると延長ブ リッジの支台歯は2歯以上となっているが、これは回転力を軽減させるためであるから、 支台歯が2歯以上であって条件が整っていれば、必ずしも支台歯は連続している必要は ない。
- (14) 可動性ブリッジ又はインレーを支台とするブリッジの指数は、「ブリッジについての 考え方2007」(平成19年11月日本歯科医学会)に示した当該支台歯の歯種による指数を 用いる。
- (15) 欠損ではなく、1歯相当分の間隙のある場合のブリッジの設計において、ポンティッ クは両隣接支台歯の何れかの形態を模して決定するが、その指数は実態に応じ近似の歯 種の指数とする。なお、半歯程度の間隙の場合は隙とする。
- (16) 有床義歯では目的が達せられないか又は誤嚥等の事故を起こす恐れが極めて大きい場 合であってブリッジを行う以外に方法がないときは、予め理由書、模型及びエックス線 フィルム又はその複製を地方厚生(支)局長に提出しその判断を求める。
- (17) 低位唇側転位の犬歯の抜歯後に生じた欠損部の間隙が側切歯、あるいはそれ以下しか ない場合であっても、「ブリッジについての考え方2007」(平成19年11月日本歯科医学 会)にあるポンティックの抵抗値(F値)を減じることは適切でない。欠損部の間隙が側切歯半歯以下の極めて小さい場合は、側切歯又は第一小臼歯、ある いは双方の歯冠幅を僅かずつ拡大して歯冠修復を行い、場合によっては補綴隙等を行う ことにより対応する。犬歯のポンティックが必要な場合で、中切歯が既にブリッジの支台として使用されて いる等の理由で新たに支台として使用できない場合に限って、ブリッジの設計を「②3④⑤」に変更することは差し支えない。この場合において、診療報酬明細書の摘要欄に 中切歯の状況等を記載する。
- (18) 側切歯及び犬歯又は犬歯及び第一小臼歯の2歯欠損であって、犬歯が低位唇側転位し ていたため間隙が1歯分しかない場合に限ってポンティック1歯のブリッジとして差し 支えない。ただし、製作するブリッジのポンティックの形を側切歯とするか犬歯とするかはそれ ぞれの症例によって異なるものと思われるが、形の如何によらずポンティックの抵抗値(F値)は犬歯の「5」として設計する。この場合において、診療報酬明細書の摘要欄に低位唇側転位の犬歯を含む欠損歯数と 補綴歯数の不一致の旨記載すること。
- (19) 矯正・先天性欠如等により、第一小臼歯が既に欠損している患者の第二小臼歯を抜歯 した場合あるいは第二小臼歯が舌側に転位しているとき、第一小臼歯及び第二小臼歯を 抜歯した場合で、間隙は1歯分しかないような小臼歯2歯の欠損であって間隙が狭い場合のブリッジは、「ブリッジについての考え方2007」(平成19年11月日本歯科医学会) に従って実際の歯式どおり対応する。また、同様の理由で第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯欠損のブリッジにおいて、欠損歯数は3歯であるが、間隙のほうが1歯分程度小さく2歯分となる場合は、保険適 用の可否を確認することになるので、予め理由書、模型及びエックス線フィルム又はそ の複製を地方厚生(支)局長に提出してその判断を求める。また、添付模型の製作は、基本診療料に含まれ、算定できないが、添付フィルム又はその複製は、区分番号E10 0に掲げる歯、歯周組織、顎骨、口腔軟組織及び区分番号E300に掲げるフィルムに より算定して差し支えない。ただし、算定に当たっては、診療報酬明細書の摘要欄に算 定の理由を記載する。
- (20) 6⑥⑦及び⑤⑥6のような分割延長ブリッジは原則として認められないが、前者は隣 接する第二小臼歯が前方ブリッジの支台歯となっているか又は同歯にメタルボンド冠が 装着されている症例、後者は隣接する第二大臼歯に金合金又は白金加金の全部金属冠が装着されている症例であって、補綴物を除去し、当該歯をブリッジの支台歯として使用 することが困難であるため、当該歯の補綴物にレストを設定することによりブリッジの 維持を求める構造となる場合はこの限りでない。ただし、レストの設定に係る費用は算定できない。