第9 在宅療養支援診療所
第9 在宅療養支援診療所
- 1 在宅療養支援診療所の施設基準
- 次の(1)から(3)までのいずれかに該当するものを在宅療養支援診療所という。
- なお、(1)又は(2)のいずれかに該当するものが、区分番号「C000」往診料の注1に規定する加算、区分番号「C001」在宅患者訪問診療料の注6に規定する在宅ターミナルケア加算、区分番号「C002」在宅時医学総合管理料、区分番号「C002-2」施設入居時等医学総合 管理料及び区分番号「C003」在宅がん医療総合診療料(以下「往診料の加算等」という。)に規定する「在宅療養支援診療所であって別に厚生労働大臣が定めるもの」である。
- (1) 診療所であって、当該診療所単独で以下の要件のいずれにも該当し、緊急時の連絡体制及 び24時間往診できる体制等を確保していること。
- ア 在宅医療を担当する常勤の医師が3名以上配置されていること。
- なお、在宅医療を担当する医師とは、入院診療又は外来診療のみに限らず、現に在宅医療に関わる医師をいう。
- イ 当該診療所において、24時間連絡を受ける保険医又は看護職員をあらかじめ指定するとともに、当該担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等、緊急時の注意事項等について、事前に患者又はその看護を行う家族に対して説明の上、文書により提供していること。なお、曜日、時間帯ごとに担当者が異なる場合には、それぞれ曜日、時間帯ごとの担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等を文書上に明示すること。
- ウ 当該診療所において、患家の求めに応じて、24時間往診が可能な体制を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書により患家に提供していること。
- エ 当該診療所において、又は別の保険医療機関若しくは訪問看護ステーションの看護師等との連携により、患家の求めに応じて、当該診療所の保険医の指示に基づき、24時間訪問看護の提供が可能な体制を確保し、訪問看護の担当者の氏名、担当日等を文書により患家に提供していること。
- オ 有床診療所にあっては当該診療所において、無床診療所にあっては別の保険医療機関(許可病床数が200床以上の病院を含む。)との連携により、緊急時に居宅において療養を行っている患者が入院できる病床を常に確保し、受入医療機関の名称等をあらかじめ地方厚生(支)局長に届け出ていること。
- カ 別の保険医療機関又は訪問看護ステーションと連携する場合には、緊急時に円滑な対応ができるよう、あらかじめ患家の同意を得て、当該患者の病状、治療計画、直近の診療内容等緊急の対応に必要な診療情報を文書(電子媒体を含む。)により随時提供していること。
- キ 患者に関する診療記録管理を行うにつき必要な体制が整備されていること。
- ク 当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者と連携していること。
- ケ 年に1回、在宅看取り数等を別添2の様式11の3を用いて、地方厚生(支)局長に報告していること。
- コ 当該診療所において、過去1年間の緊急の往診の実績を10件以上有すること。 なお、緊急の往診とは、区分番号「C000」の注1に規定する緊急又は夜間、深夜若しくは休日に行う往診のことをいう。
- サ 当該診療所において、過去1年間の在宅における看取りの実績を4件以上又は過去1年間の15歳未満の超重症児及び準超重症児に対する在宅医療の実績(3回以上定期的な訪問診療を実施し、区分番号「C002」在宅時医学総合管理料又は区分番号「C002- 2」施設入居時等医学総合管理料を算定している場合に限る。)を4件以上有していること。
- シ 直近1か月に初診、再診、往診又は訪問診療を実施した患者のうち、往診又は訪問診療を実施した患者の割合が9割5分以上の保険医療機関にあっては、上記アからサまでの基準に加え、次の要件のいずれも満たすこと。
- (イ) 直近1年間に5つ以上の病院又は診療所から、文書による紹介を受けて訪問診療を開始した実績があること。
- (ロ) 当該診療所において、過去1年間の在宅における看取りの実績を20件以上有していること又は重症児の十分な診療実績等を有していること。なお、ここでいう重症児の十分な診療実績とは、過去1年間の15歳未満の超重症児及び準超重症児に対する在宅医療の実績(3回以上の定期的な訪問診療を実施し、区分番号「C002」在宅時医学総合管理料又は区分番号「C002-2」施設入居時等医学総合管理料を算定している場合に限る。)を10件以上有していることをいう。
- (ハ) 直近1か月に在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料を算定した患者のうち、施設入居時等医学総合管理料を算定した患者の割合が7割以下であること。
- (ニ) 直近1か月に在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料を算定した患者のうち、要介護3以上又は特掲診療料の施設基準等別表第八の二に掲げる別に厚生労働大臣が定める状態の患者の割合が5割以上であること。
- (2) 他の保険医療機関と地域における在宅療養の支援に係る連携体制診療所又は許可病床数 が200床未満の病院により構成されたものに限る。以下この項において「在宅支援連携体制」という。)を構築している診療所であって、以下の要件のいずれにも該当し、緊急時の連絡体制及び24時間往診できる体制等を確保していること。
- ただし、在宅支援連携体制を構築する複数の保険医療機関の数は、当該診療所を含めて10未満とする。
- なお、当該在宅支援連携体制は、これを構成する診療所及び病院(許可病床数が200床未満のものに限る。)が、診療所にあっては以下の要件、病院にあっては第14の2の1(2)の要件を全て満たし、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院となることを想定しているものである。
- ア 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と併せて、在宅医療を担当する常勤の医師が3名以上配置されていること。
- なお、在宅医療を担当する医師とは、入院診療又は外来診療のみに限らず、現に在宅医療に関わる医師をいう。
- イ 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と協力して、24時間連絡を受ける保険医又は看護職員をあらかじめ指定するとともに、当該在宅支援連携体制を構築する保険医療機関間で24時間直接連絡がとれる連絡先電話番号等を一元化した上で、当該担当者及び当該連絡先、緊急時の注意事項等について、事前に患者又はその看護を行う家族に対して説明の上、文書により提供していること。なお、曜日、時間帯ごとに担当者が異なる場合には、それぞれ曜日、時間帯ごとの担当者を文書上に明示すること。
- ウ 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と協力して、患家の求めに応じて、24時間往診が可能な体制を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書により患家に提供していること。
- エ 当該診療所又は当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関若しくは訪問看護ステーションの看護師等との連携により、患家の求めに応じて、24時間訪問看護の提供が可能な体制を確保し、訪問看護の担当者の氏名、担当日等を文書により患家に提供していること。
- オ 当該診療所又は当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関において、緊急時に居宅において療養を行っている患者が入院できる病床を常に確保し、受入医療機関の名称等をあらかじめ地方厚生(支)局長に届け出ていること。
- ただし、当該診療所又は当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関のいずれも病床を有しない場合には、別の保険医療機関(許可病床数が200床以上の病院を含む。)との連携により、緊急時に居宅において療養を行っている患者が入院できる病床を常に確保し、受入医療機関の名称等をあらかじめ地方厚生(支)局長に届け出ていること。
- カ 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関又は訪問看護ステーションと連携する場合には、緊急時に円滑な対応ができるよう、あらかじめ患家の同意を得て、当該患者の病状、治療計画、直近の診療内容等緊急の対応に必要な診療情報を文書(電子媒体を含む。)により随時提供していること。
- なお、当該在宅支援連携体制を構築する保険医療機関間において、診療を行う患者の診療情報の共有を図るため、月1回以上の定期的なカンファレンスを実施すること。
- キ 患者に関する診療記録管理を行うにつき必要な体制が整備されていること。
- ク 当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者と連携していること。
- ケ 年に1回、在宅看取り数等を別添2の様式11の3を用いて、地方厚生(支)局長に報告していること。また、当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関の実績を含めた在宅看取り数等を、別途、別添2の様式11の4を用いて、地方厚生(支)局長に報告していること。なお、報告に当たっては、当該連携体制を構築する複数の保険医療機関のうち、1つの保険医療機関が取りまとめて報告することで差し支えない。
- コ 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と併せて、過去1年間の緊急の往診の実績を10件以上有し、かつ、当該診療所において4件以上有すること。
- なお、緊急の往診とは、区分番号「C000」の注1に規定する緊急又は夜間、深夜若しくは休日に行う往診のことをいう。
- サ 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と併せて、過去1年間の在宅における看取りの実績を4件以上有していること。また、当該診療所において過去1年間の在宅における看取りの実績を2件以上又は過去1年間の15歳未満の超重症児及び準超重症児に対する在宅医療の実績(3回以上定期的な訪問診療を実施し、区分番号「C002」在宅時医学総合管理料又は区分番号「C002-2」施設入居時等医学総合管理料を算定している場合に限る。)を2件以上有すること。
- シ 直近1か月に初診、再診、往診又は訪問診療を実施した患者のうち、往診又は訪問診療を実施した患者の割合が9割5分以上の保険医療機関にあっては、上記アからサまでの基準に加え、(1)のシの(イ)から(ニ)までの要件のいずれも満たすこと。
- (3) 以下の要件のいずれにも該当し、緊急時の連絡体制及び24時間往診できる体制等を確保していること。
- ア 当該診療所において、24時間連絡を受ける保険医又は看護職員をあらかじめ指定するとともに、当該担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等、緊急時の注意事項等について、事前に患者又はその看護を行う家族に対して説明の上、文書により提供していること。なお、曜日、時間帯ごとに担当者が異なる場合には、それぞれ曜日、時間帯ごとの担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等を文書上に明示すること。
- イ 当該診療所において、又は別の保険医療機関の保険医との連携により、患家の求めに応じて、24時間往診が可能な体制を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書により患家に提供していること。
- ウ 当該診療所において、又は別の保険医療機関若しくは訪問看護ステーションの看護師等との連携により、患家の求めに応じて、当該診療所の保険医の指示に基づき、24時間訪問看護の提供が可能な体制を確保し、訪問看護の担当者の氏名、担当日等を文書により患家に提供していること。
- エ 当該診療所において、又は別の保険医療機関との連携により、緊急時に居宅において療 養を行っている患者が入院できる病床を常に確保し、受入医療機関の名称等をあらかじめ地方厚生(支)局長に届け出ていること。
- オ 他の保険医療機関又は訪問看護ステーションと連携する場合には、連携する保険医療機 関又は訪問看護ステーションにおいて緊急時に円滑な対応ができるよう、あらかじめ患家の同意を得て、当該患者の病状、治療計画、直近の診療内容等緊急の対応に必要な診療情報を連携保険医療機関等に文書(電子媒体を含む。)により随時提供していること。
- カ 患者に関する診療記録管理を行うにつき必要な体制が整備されていること。
- キ 当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者と連携していること。
- ク 年に1回、在宅看取り数等を別添2の様式11の3を用いて、地方厚生(支)局長に報告していること。
- ケ 直近1か月に初診、再診、往診又は訪問診療を実施した患者のうち、往診又は訪問診療を実施した患者の割合が9割5分以上の保険医療機関にあっては、上記アからクまでの基準に加え、(1)のシの(イ)から(ニ)までの要件のいずれも満たすこと。
- なお、区分番号「I016」精神科重症患者早期集中支援管理料の届出を行っている診療所であって、GAF尺度による判定が40以下の統合失調症の患者を10人以上診療している保険医療機関にあっては、(1)のシの (イ)から(ニ)までの要件を満たしていなくても差し支えないものとする。
2 往診料の加算等の適用
- (1) 往診料の加算等に規定する「病床を有する場合」とは、1の(1)のオに規定する有床診療所、1の(2)のオに規定する当該診療所又は在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関において緊急時に居宅において療養を行っている患者が入院できる病床を常に確保している場合をいう。
- なお、1の(2)のオに規定する在宅支援連携体制を構築する複数の保険医療機関において1つでも病床を有する保険医療機関が存在する場合、当該在宅支援連携体制を構築する全ての保険医療機関が、往診料の加算等に規定する「病床を有する場合」に該当するものとする。
- (2) 往診料の加算等に規定する「病床を有しない場合」とは、1の(1)のオに規定する無床診療所、1の(2)のオに規定する当該診療所又は在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関のいずれも病床を有しない場合をいう。
- (3) 往診料の加算等に規定する在宅緩和ケア充実診療所・病院加算の施設基準
- ア 1の(1)又は(2)に規定する在宅療養支援診療所であって、過去1年間の緊急の往診の実績を15件以上有し、かつ、過去1年間の在宅における看取りの実績を20件以上有していること。
- イ 末期の悪性腫瘍等の患者であって、鎮痛剤の経口投与では疼痛が改善しないものに対し、患者が自ら注射によりオピオイド系鎮痛薬の注入を行う鎮痛療法を実施した実績を、過去1年間に2件以上有していること、又は過去に5件以上実施した経験のある常勤の医師が配置されており、適切な方法によってオピオイド系鎮痛薬を投与(投与経路は問わないが、定期的な投与と頓用により患者が自ら疼痛を管理できるものに限る。)した実績を過去1年間に10件以上有していること。
- ウ 第4の2がん性疼痛緩和指導管理料の施設基準に定める「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針に準拠した緩和ケア研修会」又は「緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会等」を修了している常勤の医師がいること。
- エ 緩和ケア病棟又は在宅での1年間の看取り実績が 10件以上の保険医療機関において、3か月以上の勤務歴がある常勤の医師(在宅医療を担当する医師に限る。)がいること。
- オ 院内の見やすい場所等に、過去1年間の看取り実績及び十分な緩和ケアが受けられる旨の掲示をするなど、患者に対して必要な情報提供が行われていること。
- (4) 往診料の加算等に規定する在宅療養実績加算1の施設基準
- 1の(3)に規定する在宅療養支援診療所であって、過去1年間の緊急の往診の実績を10件以上有し、かつ、過去1年間の在宅における看取りの実績を4件以上有していること。
- (5) 往診料の加算等に規定する在宅療養実績加算2の施設基準
- ア 1の(3)に規定する在宅療養支援診療所であって、過去1年間の緊急の往診の実績を4件以上有し、かつ、過去1年間の在宅における看取りの実績を2件以上有していること。
- イ 第4の2がん性疼痛緩和指導管理料の施設基準に定める「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針に準拠した緩和ケア研修会」又は「緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会等」を修了している常勤の医師がいること。
3 届出に関する事項
- 1の(1)の在宅療養支援診療所の施設基準に係る届出は、別添2の様式11及び様式11の3を用いること。1の(2)の在宅療養支援診療所の施設基準に係る届出は、別添2の様式11、様式11の3及び様式11の4を用いること。1の(3)の在宅療養支援診療所の施設基準に係る届出は、別添2の様式11を用いること。2の(3)の在宅緩和ケア充実診療所・病院加算の施設基準に係る届出は、別添2の様式11及び様式11の3を用いること。2の(4)の在宅療養実績加算1及び2の(5) の在宅療養実績加算2の施設基準に係る届出は、別添2の様式11及び様式11の5を用いること。
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