歯科疾患管理料

B000-4 歯科疾患管理料

  • 110点

  • 1 1回目の歯科疾患管理料は、継続的な歯科疾患の管理が必要な患者に対し、患者又はその家族の同意を得て管理計画書を作成し、その内容について説明を行い、管理計画書を提供した場合に、初診日の属する月から起算して2月以内1回を限度として算定する。
  • 2 2回目以降の歯科疾患管理料は、1回目の歯科疾患管理料を算定した患者に対して提供した管理計画書に基づく継続的な管理を行っている場合であって、歯科疾患の管理及び療養上必要な指導について、継続管理計画書を作成し、その内容について説明を行い、当該管理計画書を提供したときに、1回目の歯科疾患管理料を算定した日の属する月の翌月以降月1回を限度として算定する。
  • 3 区分番号B000-6に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅰ)、区分番号B000-くう7に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅱ)又は区分番号B000-8に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅲ)を算定した患者に対して、周術期口腔機能管理の終了後に療養上の必要があって歯科疾患の継続的な管理を行う場合は、歯科疾患管理料は注1及び注2の規定にかかわらず、周術期口腔機能管理料(Ⅰ)、周術期口腔機能管理料(Ⅱ)又は周術期口腔機能管理料(Ⅲ)を算定した日の属する月の翌月以降から算定する。
  • 4 入院中の患者に対して管理を行った場合又は退院した患者に対して退院の日の属する月に管理を行った場合における当該管理の費用は、第1章第2部第1節、第3節又は第4節の各区分の所定点数に含まれる。ただし、歯科診療及び歯科診療以外の診療を併せて行う保険医療機関の歯科診療以外の診療に係る病棟に入院中の患者又は当該病棟を退院した患者については、この限りでない。
  • 5 初診日から入院(歯科診療に限る。)中の患者について、退院後に歯科疾患の継続的な管理が必要な場合は、注1及び注2の規定にかかわらず、退院した日の属する月の翌月以降から算定する。
  • 6 管理計画書に基づく治療終了日から起算して2月を経過するまでの間、区分番号A000に掲げる初診料は、算定できない。
  • 7 歯科疾患管理料を算定した月において、区分番号B000-6に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅰ)、区分番号B000-7に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅱ)、区分番号B000-8に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅲ)、区分番号B002に掲げる歯科特定疾患療養管理料、区分番号C001-3に掲げる歯科疾患在宅療養管理料及び区分番号N002に掲げる歯科矯正管理料は、算定できない。
  • 8 13歳未満のう蝕に罹患している患者であって、う蝕多発傾向にあり、う蝕に対する歯冠修復終了後もう蝕活動性が高く、継続的な指導管理が必要なもの(以下「う蝕多発傾向者」という。)のうち、4歳以上のう蝕多発傾向者又はその家族等に対して、当該患者の療養を主として担う歯科医師(以下「主治の歯科医師」という。)又はその指示を受けた歯科衛生士が、フッ化物洗口に係る薬液の取扱い及び洗口法に関する指導を行った場合は、歯科疾患管理の実施期間中に患者1人につき1回を限度として40点を所定点数に加算する。ただし、区分番号C001に掲げる訪問歯科衛生指導料を算定している患者については、当該加算は算定できない。

通知

B000-4歯科疾患管理料

  • (1) 歯科疾患管理料とは、継続的管理を必要とする歯科疾患を有する患者(歯の欠損症のみを有する患者を除く。)に対して、口腔を一単位(以下「1口腔単位」という。)としてとらえ、患者との協働により行う口腔管理に加えて、病状が改善した疾患等の再発防止及び重症化予防を評価したものをいい、患者又はその家族の同意を得た上で管理計画書を作成し、その内容について説明し、提供した場合に算定する。
  • (2) 「注1」に規定する管理計画書(当該管理計画書の様式は、「別紙様式1」又はこれに準じた様式とする。)とは、管理計画書の提供年月日、患者又はその家族が記入する歯科疾患と関連性のある生活習慣の状況及び患者の基本状況(全身の状態、基礎疾患の有無、服薬状況等)、生活習慣の改善目標、口腔内の状態(プラーク及び歯石の付着状況、歯及び歯肉の状態等(「注2」に規定する継続管理計画書においては、口腔内の状態の改善状況を含む。))、必要に応じて実施した検査結果(エックス線写真撮影による検査、歯周病検査及びその他の検査)等の要点、歯科疾患と全身の健康との関係、治療方針の概要、保険医療機関名、当該管理の担当歯科医師の氏名等、歯科疾患の継続的管理を行う上で必要となる情報を記載したものをいう。なお、歯科疾患管理料の算定に当たっては、患者又はその家族に提供した管理計画書の写しを診療録に添付し、当該計画書の内容以外に療養上必要な管理事項がある場合はその要点を診療録に記載する。
  • (3)1回目の管理計画書は、初診日の属する月から起算して2月以内に作成し、患者又はその家族に対して、その内容について説明を行った上で提供する。なお、歯周病に罹患している患者の管理計画書は、歯周病検査を実施し、その結果を踏まえた治療方針等を含んだものとする。ただし、1回目に患者の主訴に関する管理を開始し、2回目以降に歯周病やその他の疾患も含めた管理を行う場合は、新たな検査結果や管理計画の変更点に関する情報を含めた継続管理計画書を作成し、患者又はその家族に対して、その内容について説明を行った上で提供する。この場合において、当該月より改めて1口腔単位での管理を開始する。
  • (4) (2)及び(3)に関わらず、初診時に歯周病の急性症状を呈する患者であって、急性症状寛解後に継続的管理が必要な場合は、1回目の歯科疾患管理料算定時に管理計画書を作成し、患者又はその家族に対して、その内容を説明し提供する。なお、歯周病検査は、急性症状寛解後の2回目の歯科疾患管理料算定時までに実施し、当該検査結果を含む継続管理計画書を作成した上で、患者又はその家族に対して、その内容を説明し提供する。ただし、急性症状が寛解せず2回目の歯科疾患管理料算定時までに歯周病検査が実施できない場合は、症状の要点を診療録に記載する。
  • (5) 「注2」に規定する2回目以降の継続管理計画書(当該管理計画書の様式は、「別紙様式2」又はこれに準じた様式とする。)の提供時期は、管理計画の内容に変更があったとき、検査により疾患の症状が一時的に安定したと判断されるとき(歯周病においては、歯周病検査により一時的に病状が安定したと判断されるとき等)、一連の補綴治療が終了したときその他療養上必要な時期に提供することとするが、少なくとも前回の管理計画書の提供日から起算して4月を超える日までとする。
  • (6) (5)にかかわらず、次の場合における2回目以降の継続管理計画書の提供時期は、患者の求めがない限り、前回の管理計画書の提供日から起算して4月を超えても差し支えない。
    • イ 区分番号I011-2に掲げる歯周病安定期治療を行う患者に対して、歯周病安定期治療を実施する間隔が4月を超える場合
    • ロ 患者又はその家族が、管理計画書(初回用又は継続用)の備考欄に、文書提供が次回来院以降不要である旨の内容(例:次回から文書提供不要)を記載した場合
  • (7) 「注5」とは、「注3」に規定する患者を除き、初診日から入院している患者(歯科診療に限る。)について、退院後に歯科疾患の継続的管理が必要な場合の取り扱いを定めたものをいい、入院前に外来において歯科診療を行った場合(外来の歯科診療を行った日と入院日が同日である場合に限る。)も歯科疾患管理料を算定する。
  • (8) 区分番号B000-6に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅰ)、区分番号B000-7に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅱ)又は区分番号B000-8に掲げる周術期口腔機能管理料(Ⅲ)を算定した患者は、「注1」及び「注2」の規定にかかわらず、周術期口腔機能管理料を算定した日の属する月の翌月以降から歯科疾患管理料を算定できる。この場合において、管理計画書を作成して患者又はその家族に提供する。
  • (9) 歯科疾患管理料を算定した月は、患者又はその家族に対して、管理計画書を提供しない場合であっても、少なくとも1回以上の管理計画に基づく管理を行う。なお、当該管理を行った場合は、診療録にその要点を記載する。
  • (10) 歯科疾患管理料は、区分番号B013に掲げる新製有床義歯管理料又は区分番号H001-2に掲げる歯科口腔リハビリテーション料1(「1有床義歯の場合」に限る。)を算定している患者(歯の欠損症のみを有する患者を除く。)に対して当該歯科疾患管理を行った場合は算定できる。なお、無歯顎の患者の総義歯に係る管理を行っている場合は、軟膏等薬剤による治療が必要な口腔粘膜疾患等(「特掲診療料の施設基準等」の別表第四歯科特定疾患療養管理料に規定する疾患に掲げる疾患を除く。)を有している患者であって、現に当該歯科疾患に係る治療(有床義歯を原因とする疾患に係る治療を除く。)を行っている場合は算定できる。
  • (11) 再診が電話等により行われた場合は、歯科疾患管理料は算定できない。
  • (12) 「注8」に規定するう蝕多発傾向者とは、継続的な指導管理が必要な者であって、う蝕多発傾向者の判定基準の左欄の年齢に応じて右欄の歯冠修復終了歯を有するものをいう。
    • (う蝕多発傾向者の判定基準)
    年齢 歯冠修復終了歯
    乳歯 永久歯
    0~4歳 1歯以上
    0~4歳 3歯以上 及び 1歯以上
    8~10歳 2歯以上
    11~12歳 3歯以上
  • (13) う蝕多発傾向者の判定基準において、(12)にかかわらず次の場合はそれぞれに規定するところにより取り扱う。
    • イ 5~7歳の者で永久歯の萌出歯がない場合、歯冠修復終了永久歯は、う蝕多発傾向者の判定の要件としない。
    • ロ フッ化ジアンミン銀塗布歯は歯冠修復終了歯には含まないが、5歳未満の患者の初期う蝕で、歯冠修復の実施が患者の非協力等により物理的に困難と判断される場合に限り、当該未処置う蝕歯にフッ化ジアンミン銀を塗布した場合、歯冠修復終了乳歯として取り扱う。
    • ハ 区分番号I003に掲げる初期う蝕早期充填処置を行った場合は、歯冠修復終了歯として取り扱う。
  • (14) 「注8」のフッ化物洗口指導による指導管理に係る加算は、次の取扱いとする。
    • イ 主治の歯科医師又はその指示を受けた歯科衛生士が、患者又はその家族に対しフッ化物洗口に係る指導を行い文書により提供を行った場合に算定する。
    • ロ フッ化物洗口に用いる薬液とは、毎日法に用いられる洗口用の0.05%及び0.1%フッ化ナトリウム溶液又は週1回法に用いられる洗口用の0.2%フッ化ナトリウム溶液をいう。
    • ハ フッ化物洗口に係る指導に当たっては、歯科医師が行った場合は次の(イ)から(ハ)の内容を含め患者に対し説明を行い、指導内容等を文書により提供した場合に算定する。
      • (イ) 洗口の方法(薬液の量やうがいの方法)及び頻度
      • (ロ) 洗口に関する注意事項
      • (ハ) 薬液の取扱い及びその保管方法
    • ニ 歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が指導を行った場合は、歯科医師は診療録に指示内容を記載し、歯科衛生士はハに規定する(イ)から(ハ)の内容を含め患者に対し説明を行い、その内容を文書により提供した場合に算定する。なお、当該指導を行った歯科衛生士は業務に関する記録を作成する。
  • (15) 歯科疾患管理料を算定する保険医療機関は、歯科疾患管理料の趣旨及び内容について、院内掲示により患者に対して情報提供を行うよう努める。
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