医科点数表
B009 診療情報提供料(Ⅰ)
250点
注
- 1 保険医療機関が、診療に基づき、別の保険医療機関での診療の必要を認め、これに対して、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合に、紹介先保険医療機関ごとに患者1人につき月1回に限り算定する。
- 2 保険医療機関が、診療に基づき患者の同意を得て、当該患者の居住地を管轄する市町村又は介護保険法第46条第1項の規定により都道府県知事が指定する指定居宅介護支援事業者等に対して、診療状況を示す文書を添えて、当該患者に係る保健福祉サービスに必要な情報を提供した場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。
- 3 保険医療機関が、診療に基づき保険薬局による在宅患者訪問薬剤管理指導の必要を認め、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものの同意を得て、当該保険薬局に対して、診療状況を示す文書を添えて、当該患者に係る在宅患者訪問薬剤管理指導に必要な情報を提供した場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。
- 4 保険医療機関が、精神障害者である患者であって、障害者自立支援法(平成17年法律第123号)に規定する障害福祉サービスを行う施設又は福祉ホーム(以下「精神障害者施設」という。)に入所している患者又は介護老人保健施設に入所している患者の同意を得て、当該精神障害者施設又は介護老人保健施設に対して、診療状況を示す文書を添えて、当該患者の社会復帰の促進に必要な情報を提供した場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。
- 5 保険医療機関が、診療に基づき患者の同意を得て、介護老人保健施設に対して、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。
- 6 保険医療機関が、認知症の状態にある患者について、診断に基づき認知症疾患医療センター等での鑑別診断等の必要を認め、当該患者又はその家族の同意を得て、認知症疾患医療センター等に対して診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。
- 7 保険医療機関が、患者の退院日の属する月又はその翌月に、添付の必要を認め、患者の同意を得て、別の保険医療機関、精神障害者施設又は介護老人保健施設に対して、退院後の治療計画、検査結果、画像診断に係る画像情報その他の必要な情報を添付して紹介を行った場合は、所定点数に200点を加算する。
- 8 区分番号B005-4に掲げるハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)に規定する別に厚生労働大臣が定める状態等の患者の同意を得て、検査結果、画像診断に係る画像情報その他の必要な情報を添付してハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)に規定する別の保険医療機関に対して紹介を行った場合は、当該患者の妊娠中1回に限り所定点数に200点を加算する。
- 9 保険医療機関が、認知症の疑いのある患者について専門医療機関での鑑別診断等の必要を認め、当該患者又はその家族の同意を得て、当該専門医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて、患者の紹介を行った場合は、所定点数に100点を加算する。
- 10 保険医療機関が、認知症の専門医療機関において既に認知症と診断された患者であって入院中の患者以外のものについて症状が増悪した場合に、当該患者又はその家族の同意を得て、当該専門医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて当該患者の紹介を行った場合は、認知症専門医療機関連携加算として、所定点数に50点を加算する。
- 11 精神科以外の診療科を標榜する保険医療機関が、入院中の患者以外の患者について、うつ病等の精神障害の疑いによりその診断治療等の必要性を認め、患者の同意を得て、精神科を標榜する別の保険医療機関に当該患者が受診する日の予約を行った上で患者の紹介を行った場合は、精神科医連携加算として、所定点数に200点を加算する。
- 12 保険医療機関が、治療計画に基づいて長期継続的にインターフェロン治療が必要な肝炎の患者であって入院中の患者以外のものの同意を得て、当該保険医療機関と連携して治療を行う肝疾患に関する専門医療機関に対して、治療計画に基づく診療状況を示す文書を添えて当該患者の紹介を行った場合は、肝炎インターフェロン治療連携加算として、所定点数に50点を加算する。
B009 診療情報提供料(Ⅰ)
- (1) 診療情報提供料(Ⅰ)は、医療機関間の有機的連携の強化及び医療機関から保険薬局又は保健・福祉関係機関への診療情報提供機能の評価を目的として設定されたものであり、両者の患者の診療に関する情報を相互に提供することにより、継続的な医療の確保、適切な医療を受けられる機会の増大、医療・社会資源の有効利用を図ろうとするものである。
- (2) 保険医療機関が、診療に基づき他の機関での診療の必要性等を認め、患者に説明し、その同意を得て当該機関に対して、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合に算定する。
- (3) 紹介に当たっては、事前に紹介先の機関と調整の上、下記の紹介先機関ごとに定める様式又はこれに準じた様式の文書に必要事項を記載し、患者又は紹介先の機関に交付する。
また、交付した文書の写しを診療録に添付するとともに、診療情報の提供先からの当該患者に係る問い合わせに対しては、懇切丁寧に対応するものとする。- ア イ及びウ以外の場合別紙様式11
- イ 市町村又は指定居宅介護支援事業者等別紙様式12から別紙様式12の4
- ウ 介護老人保健施設別紙様式13
- (4) 当該情報を提供する保険医療機関と特別の関係にある機関に情報提供が行われた場合や、市町村等が開設主体である保険医療機関が当該市町村等に対して情報提供を行った場合は算定できない。
- (5) A保険医療機関には、検査又は画像診断の設備がないため、B保険医療機関(特別の関係にあるものを除く。)に対して、診療状況を示す文書を添えてその実施を依頼した場合には、診療情報提供料(Ⅰ)は算定できる。
- (6) (5)の場合において、B保険医療機関が単に検査又は画像診断の設備の提供にとどまる場合には、B保険医療機関においては、診療情報提供料(Ⅰ)、初診料、検査料、画像診断料等は算定できない。
なお、この場合、検査料、画像診断料等を算定するA保険医療機関との間で合議の上、費用の精算を行うものとする。 - (7) (5)の場合において、B保険医療機関が、検査又は画像診断の判読も含めて依頼を受け、その結果をA保険医療機関に文書により回答した場合には、診療情報提供料(Ⅰ)を算定できる。
なお、この場合に、B保険医療機関においては、初診料、検査料、画像診断料等を算定でき、A保険医療機関においては検査料、画像診断料等は算定できない。 - (8) 提供される情報の内容が、患者に対して交付された診断書等であって、当該患者より自費を徴収している場合、意見書等であって、意見書の交付について診療報酬又は公費で既に相応の評価が行われている場合には、診療情報提供料(Ⅰ)は算定できない。
- (9) 下記のア、イの場合については、患者1人につき月1回に限り、所定点数を算定する。
また、いずれの場合も診療情報の提供に当たって交付した文書の写しを診療録に添付する。- ア 区分番号「C001」在宅患者訪問診療料を算定すべき訪問診療を行っている保険医療機関が、患者の同意を得て、診療の日から2週間以内に、当該患者に対して継続して区分番号「C005」在宅患者訪問看護・指導料又は区分番号「C005-1-2」同一建物居住者訪問看護・指導料を算定すべき看護若しくは指導又は区分番号「C006 」在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料を算定すべき指導管理を行っている別の保険医療機関に対して、診療日、診療内容、患者の病状、日常生活動作能力等の診療情報を示す文書を添えて、当該患者に係る療養上必要な情報を提供した場合
- イ 区分番号「C005」在宅患者訪問看護・指導料又は区分番号「C005-1-2」同一建物居住者訪問看護・指導料を算定すべき看護若しくは指導又は区分番号「C006」在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料を算定すべき指導管理を行っている保険医療機関が、患者の同意を得て、診療の日から2週間以内に、別の保険医療機関に対して、病歴、診療内容、患者の病状等の診療状況を示す文書を添えて、当該患者に係る療養上必要な情報を提供した場合
- (10) 診療情報の提供に当たり、レントゲンフィルム等をコピーした場合には、当該レントゲンフィルム等及びコピーに係る費用は当該情報提供料に含まれ、別に算定できない。
- (11) 「注2」に掲げる「市町村」又は「指定居宅介護支援事業者等」に対する診療情報提供は、入院患者については、退院時に患者の同意を得て退院の日から2週間以内に診療情報の提供を行った場合にのみ算定する。この場合においては、家庭に復帰する患者が対象であり、別の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設等に入院若しくは入所する患者又は死亡退院した患者についてその診療情報を市町村又は指定居宅介護支援事業者等に提供しても、診療情報提供料(Ⅰ)の算定対象とはならない。
- (12) 「注2」に掲げる「市町村又は介護保険法第46条第1項の規定により都道府県知事が指定する指定居宅介護支援事業者等」とは、当該患者の居住地を管轄する市町村(特別区を含む。以下同じ、保健所若しくは精神保健。) 福祉センター又は指定居宅介護支援事業者若しくは地域包括支援センターをいう。また、「保健福祉サービスに必要な情報」とは、当該患者に係る健康教育、健康相談、機能訓練、訪問指導等の保健サービス又はホームヘルプサービス、ホームケア促進事業、ショートステイ、デイサービス、日常生活用具の給付等の介護保険の居宅サービス若しくは福祉サービスを有効かつ適切に実施するために必要な診療並びに家庭の状況に関する情報をいう。
- (13) 「注3」については、在宅での療養を行っている疾病、負傷のため通院困難な患者(以下「在宅患者」という。)に対して、適切な在宅医療を確保するため、当該患者の選択する保険薬局の保険薬剤師が、訪問薬剤管理指導を行う場合であって、当該患者又はその看護等に当たる者の同意を得た上で、当該保険薬局に対して処方せん又はその写しに添付して、当該患者の訪問薬剤管理指導に必要な診療情報を提供した場合に算定する。この場合において、交付した文書の他、処方せんの写しを診療録に添付する。
なお、処方せんによる訪問薬剤管理指導の依頼のみの場合は診療情報提供料(Ⅰ)は算定できない。 - (14) 「注4」については、精神障害者である患者であって、次に掲げる施設に入所している患者又は介護老人保健施設(当該保険医療機関と同一の敷地内にある介護老人保健施設その他これに準ずる介護老人保健施設を除く。「注5」において同じ。)に入所している患者の診療を行っている保険医療機関が、診療の結果に基づき、患者の同意を得て、当該患者が入所しているこれらの施設に対して文書で診療情報を提供した場合に算定する。
- ア グループホーム及びケアホーム(障害者自立支援法第5条第10項に規定する共同生活介護を行う事業所及び同条第16項に規定する共同生活援助を行う事業所をいう。)
- イ 障害者支援施設(障害者自立支援法第5条第12項に規定する障害者支援施設をいい、日中活動として同条第6項に規定する生活介護を行うものを除く。)
- ウ 障害者自立支援法施行規則(平成18年厚生労働省令第19号)第6条の7第2項に規定する自立訓練(生活訓練)を行う事業所
- エ 障害者自立支援法第5条第14項に規定する就労移行支援を行う事業所
- オ 障害者自立支援法第5条第15項に規定する就労継続支援を行う事業所
- カ 障害者自立支援法第5条第22項に規定する福祉ホーム
- (15) 「注6」に掲げる「認知症疾患医療センター等」とは、認知症の症状にある患者の鑑別診断、治療方針の選定等を行うものとして、都道府県知事が指定した保険医療機関等をいうものであり、その取扱いについては、「認知症疾患医療センター運営事業実施要綱について」(平成20年3月31日付障発第0331009号)等を参考とし、都道府県精神保健主管課(部)と連絡を密にするものであること。
- (16) 「注7」に掲げる退院患者の紹介に当たっては、心電図、脳波、画像診断の所見等診療上必要な検査結果、画像情報等及び退院後の治療計画等を添付すること。また、添付した写し又はその内容を診療録に貼付又は記載すること。なお、算定対象が介護老人保健施設である場合は、当該加算を算定した患者にあっては、その後6か月間、当該加算は算定できない。
- (17) 「注8」の加算は、区分番号「B005―4」ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)が算定されない場合であっても算定できる。
- (18) 「注9」に掲げる「専門医療機関」とは、鑑別診断、専門医療相談、合併症対応、医療情報提供等を行うとともに、かかりつけの医師や介護サービス等との調整を行う保険医療機関であること。
- (19) 「注10」に規定する認知症専門医療機関連携加算は、区分番号「B005-7」に掲げる認知症専門診断管理料を算定する専門医療機関において既に認知症と診断された患者が、症状の増悪や療養方針の再検討を要する状態となった場合に、当該専門医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて当該患者の紹介を行った場合に算定する。
- (20) 「注11」に規定する精神科医連携加算については、身体症状を訴えて精神科以外の診療科を受診した患者について、当該精神科以外の診療科の医師が、その原因となりうる身体疾患を除外診断した後に、うつ病等の精神疾患を疑い、精神医療の必要性を認め、患者に十分な説明を行い、同意を得て、精神科を標榜する別の保険医療機関の精神科に当該患者が受診する日(紹介した日より1月間以内とし、当該受診日を診療録に記載すること。) について予約を行った上で、患者の紹介を行った場合に算定する。
- (21) 「注12」に規定する肝炎インターフェロン治療連携加算は、区分番号「B005-8」に掲げる肝炎インターフェロン治療計画料を算定する専門医療機関において作成された治療計画に基づいて行った診療の状況を示す文書を添えて、当該専門医療機関に対して当該患者の紹介を行った場合に算定する。