歯科点数表
B013 義歯管理料(1口腔につき)
- 1 新製有床義歯管理料 150点
- 2 有床義歯管理料 70点
- 3 有床義歯長期管理料 60点
注
- 1 新製有床義歯管理料は、新たに製作した有床義歯を装着した日の属する月に、当該有床義歯を製作した保険医療機関において、有床義歯の適合性等について検査を行い、併せて患者又はその家族に対して取扱い、保存、清掃方法等について必要な指導を行った上で、その内容を文書により提供した場合に、1回に限り算定する。
- 2 有床義歯管理料は、新たに製作した有床義歯を装着した場合(装着日の属する月から起算して2月以上3月以内の期間に限る。)等において、有床義歯の離脱、疼痛、嘔吐感、嚥下時痛等の症状の有無に応じて検査を行い、併せて患者に対して義歯の状態を説明した上で、必要な義歯に係る管理を行った場合に月1回に限り算定する。
- 3 有床義歯長期管理料は、咬合機能の回復を図るために検査を行い、併せて義歯の適合を図るための管理を行った場合に、有床義歯装着月から起算して4月以上1年以内の期間において月1回に限り算定する。
- 4 咬合機能の回復が困難な患者に対して有床義歯の管理を行った場合は、それぞれの所定点数に40点を加算する。
- 5 区分番号B013-2に掲げる有床義歯調整管理料は、別に算定できない。
B013 義歯管理料
- (1)新製有床義歯管理とは、新製有床義歯の生体との調和を主眼とした義歯の管理をいい、具体的には、当該有床義歯の着脱性、形態、適合性、咬合関係及び装着感の調整に加え、食事方法、義歯の取扱い、清掃方法及び保管方法に係る指導を含めた管理をいう。
- (2)新製有床義歯管理料は、当該有床義歯を製作した保険医療機関において、新製した有床義歯の適合性等について検査を行い、併せて患者に対して、新製した有床義歯の取扱い、保存・清掃方法等について必要な指導を行い、患者に対して当該有床義歯の管理に係る情報を文書により提供した場合に算定する。
なお、この場合において、当該文書の写しを診療録に添付し、当該文書の内容以外に療養上必要な管理事項がある場合は、診療録にその要点を記載すること。 - (3)「注1」に規定する文書とは、欠損の状態、指導内容、保存・清掃の方法等の要点、保険医療機関名及び担当歯科医師名を記載したものをいう。
- (4)新製有床義歯管理料を算定した患者について、当該有床義歯の装着日の属する月から起算して2月以上3月以内の期間において、当該有床義歯の装着部位とは異なる部位に別の有床義歯の新製又は有床義歯の裏装を行った場合であっても、義歯管理料は1口腔単位で算定するものであることから、有床義歯管理料により算定する。
- (5)新製有床義歯管理料を算定した患者について、当該有床義歯の装着月から起算して4月以上1年以内の期間において、当該有床義歯の装着部位とは異なる部位に別の有床義歯の新製・有床義歯の裏装等を行った場合は、義歯管理料は1口腔単位で算定するものであることから、有床義歯長期管理料を算定する。
- (6)有床義歯管理とは、有床義歯による口腔機能の回復を主眼とした義歯管理をいい、具体的には、口腔機能の回復が困難な場合又は適合性が極めて低い場合の有床義歯の調整に加えて、有床義歯による機能回復に着目した指導を含めた管理をいう。
- (7)有床義歯管理料は、有床義歯を新製した保険医療機関において製作した有床義歯の装着日の属する月から起算して2月以上3月以内の期間において、有床義歯の着脱性、疼痛、嘔吐感、嚥下時痛等の症状の有無に応じて検査を行い、併せて患者に対して義歯の状態を説明した上で、義歯に係る指導等を行った場合に月1回に限り算定する。
なお、この場合において、必要に応じ実施した検査の結果、調整方法、調整部位及び義歯に係る指導内容の要点を診療録に記載すること。 - (8)有床義歯の新製を前提に旧義歯の修理を行う場合は、修理を行った月は有床義歯管理料を算定し、有床義歯の新製後に新製有床義歯管理料を算定する。
- (9)有床義歯を新製した月と同一月に、当該有床義歯とは別の欠損部位の有床義歯の修理又は床裏装を行った場合、有床義歯修理又は有床義歯内面適合法(有床義歯床裏装)の費用の算定は別に算定できる。この場合において、義歯管理料は1口腔単位として算定するものであることから、新製有床義歯管理料又は有床義歯管理料のいずれかにより算定する。
- (10)区分番号I022に掲げる有床義歯床下粘膜調整処置を行い、有床義歯の新製又は床裏装を予定している場合は、義歯管理料は算定しない。この場合において、当該有床義歯の新製後又は床裏装後に新製有床義歯管理料又は有床義歯管理料を算定する。
- (11)別の保険医療機関で製作した有床義歯の管理については、装着する日の属する月であっても有床義歯管理料により算定する。
- (12)有床義歯長期管理とは、有床義歯により回復した口腔機能の維持を主眼とした有床義歯の長期的な管理をいい、具体的には、生体及び義歯の適合状態の変化に着目した長期的な管理(調整を含む。)に加えて、口腔機能の維持や低下の程度に対する評価等を含めた管理をいう。
- (13)有床義歯長期管理料は、新製有床義歯の装着月から起算して4月以上1年以内の期間において検査を行い、併せて適合を図るための調整又はその取扱い等の管理について、当該有床義歯を製作した保険医療機関である場合に、当該期間中、月1回を限度として算定できる。
なお、有床義歯長期管理料の算定に当たっては、有床義歯の調整方法、調整部位等を診療録に記載する。 - (14)新製有床義歯管理料を算定した患者について、有床義歯長期管理を終了し、新製有床義歯の装着月から起算して1年を超えた期間において、当該有床義歯を継続的に管理する場合又は修理により改めて有床義歯の管理を行った場合は、有床義歯管理料により算定する。
- (15)「注4」に規定する加算は、有床義歯の適正使用を推進するため、特に咬合の回復が困難な患者に対する義歯管理を評価したものであり、義歯管理料を算定した日に算定する。
なお、咬合の回復が困難な患者とは、次のいずれかの要件を満たす患者をいう。- イ 総義歯を新たに装着した患者又は総義歯を装着している患者
- ロ 9歯以上の局部義歯を装着し、かつ、当該局部義歯以外には対合歯間の接触関係を有しない患者
- (16)再診が電話等により行われた場合は、新製有床義歯管理料、有床義歯管理料及び有床義歯長期管理料のいずれも算定できない。
- (17)有床義歯に係る管理を行うに当たっては、「有床義歯の管理について」(平成19年11月日本歯科医学会)を参考にすること。