歯科点数表
(歯周組織の処置)
I011-2 歯周病安定期治療(1口腔につき)
300点
注
- 1 一連の歯周病治療終了後、一時的に病状が安定した状態にある患者に対し、歯周組織の状態を維持するためのプラークコントロール、スケーリング、スケーリング・ルートプレーニング、咬合調整及び機械的歯面清掃等の継続的な治療(以下この表において「歯周病安定期治療」という。)を開始した場合は、1口腔につき月1回に限り算定する。
- 2 2回目以降の歯周病安定期治療の算定は、前回実施月の翌月の初日から起算して2月を経過した日以降に行う。ただし、一連の歯周病治療において歯周外科手術を実施した場合等の歯周病安定期治療の治療間隔の短縮が必要とされる場合は、この限りでない。
- 3 歯周病安定期治療を開始した後、病状の変化により歯周外科手術を実施した場合は、歯周精密検査により再び病状が安定し継続的な治療が必要であると判断されるまでの間は、歯周病安定期治療に係る費用は算定しない。
- 4 歯周病安定期治療を開始した日以降に歯周外科手術を実施した場合は、所定点数の100分の30に相当する点数により算定する。
I011-2 歯周病安定期治療
- (1)歯周病安定期治療は、区分番号B000-4に掲げる歯科疾患管理料又は区分番号C001-3に掲げる歯科疾患在宅療養管理料を算定している患者であって、中等度以上の歯周病を有するものに対して、一連の歯周基本治療等の終了後に、一時的に症状が安定した状態にある患者に対し、歯周組織の状態を維持し、治癒させることを目的としてプラークコントロール、機械的歯面清掃、スケーリング、スケーリング・ルートプレーニング等を主体とした治療を実施した場合に1口腔につき月1回に限り算定する。
なお、中等度以上の歯周病を有するものとは、骨吸収が根の長さの3分の1以上であり、歯周ポケットは4ミリメートル以上で、根分岐部病変を有するものをいう。 - (2)一時的に症状が安定した状態とは、歯周基本治療等の終了後の再評価のための検査結果において、歯周組織の多くの部分は健康であるが、一部分に病変の進行が停止し症状が安定していると考えられる深い歯周ポケット、根分岐部病変の残存、歯の動揺が認められる状態をいう。
- (3)歯周病安定期治療は、その開始に当たって、歯周病検査を行い、症状が一時的に安定していることを確認した上で行うものであり、歯周病検査の結果の要点や歯周病安定期治療の治療方針等について、区分番号B000-4に掲げる歯科疾患管理料又は区分番号C001-3に掲げる歯科疾患在宅療養管理料に係る文書により患者又はその家族に対して提供し、当該文書の写しを診療録に添付した場合に算定する。その他療養上必要な管理事項がある場合は、その要点を診療録に記載すること。
- (4)2回目以降の歯周病安定期治療の算定については、前回実施した月の翌月の初日から起算して2月を経過した日以降に行うこと。
ただし、歯周病安定期治療の治療間隔の短縮が必要とされる以下の場合については、3月以内の間隔で実施した歯周病安定期治療の費用は月1回に限り算定できる。
なお、この場合、実施する理由(イ歯周外科手術を実施した場合は除く。)、全身状態等を診療録に記載すること。
また、ロ及びハについては、主治の医師からの文書を添付すること。- イ 歯周外科手術を実施した場合
- ロ 全身疾患の状態により歯周病の病状に大きく影響を与える場合
- ハ 全身疾患の状態により歯周外科手術が実施できない場合
- ニ 侵襲性歯周炎の場合
- (5)侵襲性歯周炎とは、若年性歯周炎、急速進行性歯周炎又は特殊性歯周炎をいう。
- (6)歯周病安定期治療を開始した以降に実施した区分番号I011に掲げる歯周基本治療の費用、I010に掲げる歯周疾患処置及びI011-3に掲げる歯周基本治療処置の費用は、歯周病安定期治療の所定点数に含まれ別に算定できない。
- (7)歯周病安定期治療開始後、病状の変化により歯周外科手術を実施した場合は、当該手術を実施した日以降においては、歯周精密検査により再び病状が安定し継続的な管理が必要であると判断されるまでの間は歯周病安定期治療の費用は算定できない。
なお、歯周病安定期治療を実施した後に行う歯周外科手術は所定点数の100分の30で算定する。 - (8)歯周病安定期治療開始後、病状の変化により必要があって歯周ポケットに特定薬剤を注入した場合及び暫間固定を実施した場合は、それぞれの費用は算定できる。