歯科点数表第2章特掲診療料→第8部処置→第1節処置料→歯周組織の処置

(歯周組織の処置)

I010 歯周疾患処置(1口腔1回につき) 10点

注 特定薬剤を用いて行った場合に算定する。

I010 歯周疾患処置

  1. 歯周疾患処置は、歯周疾患の症状の改善を目的として、歯周ポケット内へ特定薬剤を注入した場合に、1口腔を単位として算定する。なお、歯周疾患処置を算定する場合は、使用薬剤名を診療録に記載すること。
  2. 歯周疾患処置を算定する歯周ポケット内への特定薬剤の注入とは、次に該当する場合をいう。なお、用法用量に従い使用した場合に限り特定薬剤料として別に算定できる。
    1. 歯周基本治療の後の歯周組織検査の結果、期待された臨床症状の改善がみられず、かつ歯周ポケットが4ミリメートル以上の部位に対して、十分な薬効が期待できる場合において、計画的に1月間薬剤注入を行った場合
    2. A.薬剤注入後、再度の歯周組織検査の結果、臨床症状の改善はあるが、歯周ポケットが4ミリメートル未満に改善されない場合であって、更に1月間継続して薬剤注入を行った場合
    3. 歯周疾患による急性症状時に症状の緩解を目的として、歯周ポケット内へ薬剤注入を行った場合
  3. 歯周疾患処置を算定した月は、区分番号I011-3に掲げる歯周基本治療処置を別に算定できない。

I011 歯周基本治療

  1. スケーリング(3分の1顎につき)…64点
  2. スケーリング・ルートプレーニング(1歯につき)
    1. 前歯…58点
    2. 小臼歯…62点
    3. 大臼歯…68点
  3. 歯周ポケット掻爬(盲嚢掻爬)(1歯につき)
    1. 前歯…58点
    2. 小臼歯…62点
    3. 大臼歯…68点
  1. 1については、同時に3分の1顎を超えて行った場合は、3分の1顎を増すごとに、所定点数に38点を加算する。
  2. 同一部位に2回以上同一の区分に係る歯周基本治療を行った場合、2回目以降の費用は、所定点数(1については、注1の加算を含む。)の100分の50に相当する点数により算定する。
  3. 区分番号I011-2に掲げる歯周病安定期治療を開始した日以降は、算定できない。
  4. 麻酔及び特定薬剤の費用は、所定点数に含まれるものとする。
  5. 区分番号D002の3に掲げる混合歯列期歯周組織検査に基づく歯周基本治療については、1により算定する。

I011 歯周基本治療

  1. 歯周基本治療は、歯周病の炎症性因子の減少又は除去を目的とする処置をいうものであり、歯周組織検査等の結果に基づき必要があると認められる場合に実施する。歯周組織検査が実施されていない場合は、本区分は算定できない。なお、歯周基本治療については、「歯周病の診断と治療に関する指針」(平成19年11月日本歯科医学会)を参考とすること。
  2. スケーリングとは、歯面に付着しているプラーク、歯石、その他の沈着物をスケーラー等で機械的に除去することをいう。
  3. スケーリング・ルートプレーニング及び歯周ポケット掻爬(盲嚢掻爬)を同一歯に対して同時に実施した場合においても、いずれかの所定点数により算定する。
  4. 歯周基本治療を実施した後に同一部位に実施したスケーリング、スケーリング・ルートプレーニング又は歯周ポケット掻爬(盲嚢掻爬)の費用は、所定点数の100分の50により算定する。
  5. 2回目以降のスケーリング、スケーリング・ルートプレーニング及び歯周ポケット掻爬(盲嚢掻爬)については、歯周組織検査の結果を踏まえ、その必要性、効果等を考慮した上で実施するものとする。
  6. 区分番号J063に掲げる歯周外科手術と同時に行われた歯周基本治療の費用は、歯周外科手術の所定点数に含まれ別に算定できない。
  7. 混合歯列期歯周組織検査に基づく歯周基本治療については、「1 スケーリング」により算定する。

I011-2 歯周病安定期治療(1口腔につき) 300点

  1. 一連の歯周病治療終了後、一時的に病状が安定した状態にある患者に対し、歯周組織の状態を維持するためのプラークコントロール、スケーリング、スケーリング・ルートプレーニング、咬合調整及び機械的歯面清掃等の継続的な治療(以下この表において「歯周病安定期治療」という。)を開始した場合は、1口腔につき月1回に限り算定する。
  2. 2回目以降の歯周病安定期治療の算定は、前回実施月の翌月の初日から起算して2月を経過した日以降に行う。ただし、一連の歯周病治療において歯周外科手術を実施した場合は、この限りでない。
  3. 歯周病安定期治療を開始した後、病状の変化により歯周外科手術を実施した場合は、歯周精密検査により再び病状が安定し継続的な治療が必要であると判断されるまでの間は、歯周病安定期治療に係る費用は算定しない。
  4. 歯周病安定期治療を開始した日以降に歯周外科手術を実施した場合は、所定点数の100分の30に相当する点数により算定する。

I011-2 歯周病安定期治療

  1. 歯周病安定期治療は、区分番号B000-4に掲げる歯科疾患管理料又は区分番号C001-3に掲げる歯科疾患在宅療養管理料を算定している患者であって、中等度以上の歯周病を有するものに対して、一連の歯周基本治療等の終了後に、一時的に症状が安定した状態にある患者に対し、歯周組織の状態を維持し、治癒させることを目的としてプラークコントロール、機械的歯面清掃、スケーリング、スケーリング・ルートプレーニング等を主体とした治療を実施した場合に1口腔につき月1回に限り算定する。なお、中等度以上の歯周病を有するものとは、骨吸収が根の長さの3分の1以上であり、歯周ポケットは4ミリメートル以上で、根分岐部病変を有するものをいう。
  2. 一時的に症状が安定した状態とは、歯周基本治療等の終了後の再評価のための検査結果において、歯周組織の多くの部分は健康であるが、一部分に病変の進行が停止し症状が安定していると考えられる深い歯周ポケット、根岐部病変の残存、歯の動揺が認められる状態をいう。
  3. 歯周病安定期治療は、その開始に当たって、歯周組織検査を行い、症状が一時的に安定していることを確認した上で行うものであり、歯周組織検査の結果の要点や歯周病安定期治療の治療方針等について、区分番号B000-4に掲げる歯科疾患管理料又は区分番号C001-3に掲げる歯科疾患在宅療養管理料に係る文書により患者又はその家族に対して提供し、当該文書の写しを診療録に添付した場合に算定する。その他療養上必要な管理事項がある場合は、その要点を診療録に記載すること。
  4. 2回目以降の歯周病安定期治療の算定については、前回実施した月の翌月の初日から起算して2月を経過した日以降に行うこと。ただし、歯周外科手術を実施した場合であって、重度の歯周疾患を有する場合においては、3月以内の間隔で実施した歯周病安定期治療の費用は月1回に限り算定できる。
  5. 歯周病安定期治療を開始した以降に実施した区分番号I011に掲げる歯周基本治療の費用I010に掲げる歯周疾患処置及びI011-3に掲げる歯周基本治療処置の費用は、歯周病安定期治療の所定点数に含まれ別に算定できない。
  6. 歯周病安定期治療開始後、病状の変化により歯周外科手術を実施した場合は、当該手術を実施した日以降においては、歯周精密検査により再び病状が安定し継続的な管理が必要であると判断されるまでの間は歯周病安定期治療の費用は算定できない。なお、歯周病安定期治療を実施した後に行う歯周外科手術は所定点数の100分の30で算定する。
  7. 歯周病安定期治療開始後、病状の変化により必要があって歯周ポケットに特定薬剤を注入した場合及び暫間固定を実施した場合は、それぞれの費用は算定できる。

I011-3 歯周基本治療処置(1口腔につき) 10点

  1. 区分番号I011に掲げる歯周基本治療を行った部位に対して、薬剤等により歯周疾患の処置(区分番号I010に掲げる歯周疾患処置を除く。)を行った場合に、月1回に限り算定する。
  2. 区分番号I010に掲げる歯周疾患処置を算定した月においては、歯周基本治療処置は別に算定できない。
  3. 薬剤等に係る費用は、所定点数に含まれるものとする。

I011-3 歯周基本治療処置

歯周基本治療処置とは、歯周疾患において、歯周基本治療を行った部位に対して、歯周疾患の症状の改善を目的として、薬剤による歯周ポケット内洗浄等の処置(区分番号I010に掲げる歯周疾患処置を除く。)を行った場合に、1口腔につき月1回に限り算定する。なお、薬剤を用いた場合は、当該薬剤名を診療録に記載すること。

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歯科診療報酬点数表[目次]

第1章 基本診療料

第1部 初・再診料

第2部 入院料等

第2章 特掲診療料

第1部 医学管理等

第2部 在宅医療

第3部 検査

第4部 画像診断

第5部 投薬

第6部 注射

第7部 リハビリテーション

第8部 処置

第9部 手術

第10部 麻酔

第11部 放射線治療

第12部 歯冠修復及び欠損補綴

第13部 歯科矯正

第14部 病理診断

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