(歯冠修復)

M009 充填(1歯につき)

  1. 単純なもの…100点
  2. 複雑なもの…148点

注 エナメルエッチング法及びエナメルボンディング法に係る費用は、所定点数に含まれるものとする。

M009 充填

  1. 「1 単純なもの」とは、隣接面を含まない窩洞に対して行う充填をいう。
  2. 「2 複雑なもの」とは、隣接面を含む窩洞に対して行う充填をいう。
  3. 充填の費用は窩洞数にかかわらず1歯単位で算定する。したがって、「1 単純なもの」を同一歯の複数窩洞に行った場合であっても、「1 単純なもの」の所定点数により算定する。
  4. 充填の費用は窩洞形態に応じ算定するものであるが、同一歯に「1 単純なもの」及び「2 複雑なもの」の窩洞が混在する場合は、「2 複雑なもの」の所定点数のみを算定する。
  5. 前歯部切端又は切端隅角のみのものは、「1 単純なもの」として算定する。
  6. 3面以上にわたる窩洞に硅酸セメント、硅燐酸セメント及び歯科充填用即時硬化レジンを行った場合は、「1 単純なもの」として算定する。
  7. 前歯部5級窩洞、臼歯部歯質くさび状欠損又は歯の根面部のう蝕等に対する充填は、いずれも「1 単純なもの」により算定する。
  8. 充填を行うに当たり窩洞形成を行った場合は、区分番号M001-2に掲げるう蝕歯即時充填形成の場合を除き、1歯につき区分番号M001に掲げる歯冠形成の「3のA.単純なもの」又は「3のB.複雑なもの」の所定点数を算定する。
  9. 充填に使用した保険医療材料料は窩洞を単位として算定するが、同一歯面に複数の窩洞が存在する場合については1窩洞として取り扱う。
  10. 歯科充填用材料Ⅰの保険医療材料料を算定する歯科用複合レジン充填材料を用いて、窩洞の修復を行った場合は、次の取扱いとする。なお、印象採得又は咬合採得を行った場合は、1個につき区分番号M003に掲げる印象採得の「1 歯冠修復」又は区分番号M006に掲げる咬合採得の「1 歯冠修復」を、装着した場合は1個につき区分番号M005に掲げる装着の「1のB.その他」及び合着・接着材料料をそれぞれ算定する。
    1. 単純なもの
      「1 単純なもの」に掲げる所定点数を算定し、保険医療材料料については歯科充填用材料Ⅰの「(2) 複雑なもの」に係る点数を算定する。
    2. 複雑なもの
      「2 複雑なもの」に掲げる所定点数を算定し、保険医療材料料については歯科充填用材料Ⅰの「(1) 単純なもの」に係る点数及び「(2) 複雑なもの」に係る点数を合算した点数を算定する。
  11. 歯科充填用材料Ⅱの保険医療材料料を算定する歯科用複合レジン充填材料を用いて、窩洞の修復を行った場合は、次の取扱いとする。なお、印象採得又は咬合採得を行った場合は、1個につき区分番号M003に掲げる印象採得の「1 歯冠修復」又は区分番号M006に掲げる咬合採得の「1 歯冠修復」を、装着した場合は1個につき区分番号M005に掲げる装着の「1のB.その他」及び合着・接着材料料をそれぞれ算定する。
    1. 単純なもの
      「1 単純なもの」に掲げる所定点数を算定し、保険医療材料料については歯科充填用材料Ⅱの「(2) 複雑なもの」に係る点数を算定する。
    2. 複雑なもの
      「2 複雑なもの」に掲げる所定点数を算定し、保険医療材料料については歯科充填用材料Ⅱの「(1) 単純なもの」に係る点数及び「(2) 複雑なもの」に係る点数を合算した点数を算定する。
  12. 感染根管処置を行うに当たり、根管側壁、髄室側壁又は髄床底に穿孔がある場合であって封鎖を行った場合は、区分番号M009に掲げる充填の「1 単純なもの」と保険医療材料料により算定する。なお、形成を行った場合は区分番号M001に掲げる歯冠形成の「3のA.純なもの」の所定点数により算定する。
    また、歯肉を剥離して行った場合は区分番号J006に掲げる歯槽骨整形手術、骨瘤除去手術により算定する。
  13. 充填を行った場合の研磨の費用は、所定点数に含まれ別に算定できない。

M010 鋳造歯冠修復(1個につき)

  1. インレー
    1. 単純なもの…181点
    2. 複雑なもの…275点
  2. 4分の3冠(前歯)…370点
  3. 5分の4冠(小臼歯)…310点
  4. 全部鋳造冠(小臼歯及び大臼歯)…445点
  1. 2については、前歯部の接着ブリッジのための鋳造歯冠修復の費用は、所定点数に含まれるものとする。
  2. 3については、大臼歯の生活歯をブリッジの支台に用いる場合であっても算定できる。

M010 鋳造歯冠修復

  1. 「1のA.単純なもの」とは、隣接面を含まない窩洞に行うインレーをいう。
  2. 「1のB.複雑なもの」とは、隣接面を含む窩洞に行うインレーをいう。
  3. 全部鋳造冠、前装鋳造冠、前歯の4分の3冠、臼歯の5分の4冠とは、全部鋳造冠方式又は全部鋳造冠に準ずる方式で製作する鋳造歯冠修復(例えば前歯において審美性の観点から唇側の歯質を一部露出させる場合)をいい、4面又は5面の鋳造歯冠修復のすべての場合が該当するものではない。
  4. 接着冠に係る鋳造歯冠修復及び保険医療材料料は、「2 4分の3冠」に準じて算定する。
  5. 5分の4冠としての鋳造歯冠修復は小臼歯への適用を原則とするが、ブリッジの製作に当たり、必要があって生活歯である大臼歯を支台として使用する場合についてはこの限りでない。
  6. 乳歯の歯冠修復は銀合金により行う。また、乳歯に対する鋳造歯冠修復については、交換期を考慮して鋳造歯冠修復を行うことは認められるが、乳歯の解剖学的特殊性を考慮して窩洞形成を行うこと。
  7. 可動性ブリッジ(半固定性ブリッジ)の可動性連結装置については、1装置につき「1のB.複雑なもの」に準じて算定する。
  8. 鋳造歯冠修復の欠損部を鋳造歯冠修復によって修復することは、全部鋳造冠の場合を除き認められない。
  9. 智歯に対し必要がある場合には、鋳造歯冠修復を行って差し支えない。
  10. 歯槽中隔部に骨吸収及び肉芽を形成している下顎大臼歯を保存可能と診断した場合において、当該歯を近遠心根の中隔部において分離切断し、中隔部を掻爬するとともに、各根管に対し歯内療法を行った上で、近心根、遠心根にそれぞれ鋳造冠を製作し連結して装着する場合には、歯内療法については当該歯を単位として算定し、歯冠修復については製作物ごとに算定する。
    なお、歯冠修復における保険医療材料料については、それぞれ小臼歯の材料料として算定する。
  11. コンビネーション・インレーを製作した場合は、それぞれの所定点数により算定する。
  12. 抜歯禁忌症で義歯製作の必要上、やむを得ず残根を残す場合であって、根の形態修正のみを行う場合は、区分番号I000に掲げるう蝕処置により算定する。
    ただし、歯内療法により根の保存可能なものに適切な保存処置の上、鋳造歯冠修復で根面を被覆した場合には、歯冠形成については区分番号M001に掲げる歯冠形成の「3のA.単純なもの」、鋳造歯冠修復については本区分の「1のA.単純なもの」及び保険医療材料料を算定する。また、歯科充填用材料Ⅰにより根面を被覆した場合には、歯冠形成の費用については区分番号M001に掲げる歯冠形成の「3のA.単純なもの」の所定点数を、充填の費用については区分番号M009に掲げる充填の「1 単純なもの」の所定点数及び保険医療材料料をそれぞれ算定する。
  13. 抜歯禁忌症以外であっても、必要があって、根管処置及び根面被覆処置が完了した残根上に、義歯の装着を行うことは認められる。

M011 前装鋳造冠(1歯につき) 1,174点

M011 前装鋳造冠

  1. 前装鋳造冠とは、全部鋳造冠方式で製作された歯冠修復物の唇面を硬質レジンで前装したものをいい、前歯に限り認められる。
  2. 前装鋳造冠及び前装鋳造ポンティック(ダミー)の前装部分の破損部分に対して、口腔内にて充填により補修を行った場合は、形成は区分番号M001に掲げる歯冠形成の「3のA.単純なもの」、充填は区分番号M009に掲げる充填の「1 単純なもの」及び保険医療材料料により算定する。ただし、区分番号M000-2に掲げるクラウン・ブリッジ維持管理料を算定している前装鋳造冠及び前装鋳造ポンティック(ダミー)の前装部分に行った修理の費用は、区分番号M000-2に掲げるクラウン・ブリッジ維持管理料に含まれ別に算定できない。
  3. 前装鋳造冠を装着するに当たっては、次により算定する。
    1. 歯冠形成を行った場合は、1歯につき生活歯は区分番号M001に掲げる歯冠形成の「1のA.鋳造冠」及び区分番号M001に掲げる歯冠形成の「注1」の加算点数を、失活歯は区分番号M001に掲げる歯冠形成の「2のA.鋳造冠」、区分番号M001に掲げる歯冠形成の「注2」及び「注3」の加算点数を算定する。なお、支台築造を行った場合は区分番号M002に掲げる支台築造の「1 メタルコア」又は「2 その他」及び保険医療材料料を算定する。
    2. 印象採得を行った場合は、1歯につき区分番号M003に掲げる印象採得の「1のB.連合印象」を算定する。
    3. 装着した場合は、1個につき区分番号M005に掲げる装着の「1のA.鋳造歯冠修復又は硬質レジンジャケット冠」を算定する。

M012及びM013 削除

M014 ジャケット冠(1歯につき) 390点

M014 ジャケット冠

  1. ジャケット冠はレジンジャケット冠のことをいう。
  2. 乳歯に対するジャケット冠についても所定点数を算定する。
  3. ジャケット冠を装着するに当たっては、次により算定する。
    1. 歯冠形成を行った場合は1歯につき、生活歯に行う場合は区分番号M001に掲げる歯冠形成の「1のB.ジャケット冠」を、失活歯に行った場合は区分番号M001に掲げる歯冠形成の「2のB.ジャケット冠」及び区分番号M001に掲げる歯冠形成の「注4」の加算を算定する。
    2. 印象採得を行った場合は1歯につき、区分番号M003に掲げる印象採得の「1のA.単純印象」を算定する。
    3. 装着した場合は、1歯につき区分番号M005に掲げる装着の「1のB.その他」及び保険医療材料料を算定する。
  4. 歯科射出成形樹脂(歯冠用)を用いて、単層成形を行った場合は、ジャケット冠により算定する。
  5. 乳歯の前歯又は永久歯の前歯の歯冠部全体のエナメル質の一層を削除し、エナメルエッチング法を実施した後、クラウンフォームのビニールキャップに複合レジンを填入し、支台歯に圧接を行い、硬化後キャップを除去した上で、調整して歯冠修復を完成した場合は、歯冠形成の費用については区分番号M001に掲げる歯冠形成の「1のB.ジャケット冠」により、また、歯冠修復の費用についてはジャケット冠の所定点数により算定する。なお、この場合、使用した保険医療材料料は、歯科充填用材料Ⅰ又はⅡの「(1) 単純なもの」と「(2) 複雑なもの」を合算して算定する。
  6. 複合レジン冠を失活歯に行った場合は所定点数を算定する。なお、歯冠形成の費用は区分番号M001に掲げる歯冠形成の「2のB.ジャケット冠」により算定する。

M015 硬質レジンジャケット冠(1歯につき) 750点

M015 硬質レジンジャケット冠

  1. 硬質レジンジャケット冠を装着する場合は、次により算定する。
    1. 歯冠形成を行った場合は1歯につき、生活歯の場合は区分番号M001に掲げる歯冠形成の「1のB.ジャケット冠」を、失活歯の場合は区分番号M001に掲げる歯冠形成の「2のB.ジャケット冠」及び区分番号M001に掲げる歯冠形成の「注4」の加算を算定する。
    2. 印象採得を行った場合は、1歯につき区分番号M003に掲げる印象採得の「1のA.純印象」又は区分番号M003に掲げる印象採得の「1のB.連合印象」を算定する。
    3. 装着した場合は、1歯につき区分番号M005に掲げる装着の「1のA.造歯冠修復又は硬質レジンジャケット冠」及び保険医療材料料を算定する。
  2. 応分の咬合圧に耐えうる場合等に限り、小臼歯に対して硬質レジンジャケット冠により歯冠修復を行った場合には所定点数により算定する。
  3. 歯冠用強化ポリサルホン樹脂を用いて、歯科射出成形樹脂(歯冠用)とともに二層成形を行った場合は、硬質レジンジャケット冠により算定する。

M016 乳歯金属冠(1歯につき) 200点

M016 乳歯金属冠

  1. 乳歯金属冠は既製の金属冠をいう。
  2. 乳歯金属冠を装着するに当たっては、次により算定する。
    1. 歯冠形成を行った場合は1歯につき、生活歯の場合は区分番号M001に掲げる歯冠形成の「1のC.乳歯金属冠」を、失活歯の場合は区分番号M001に掲げる歯冠形成の「2のC.乳歯金属冠」を算定する。
    2. 印象採得を行った場合は1歯につき、区分番号M003に掲げる印象採得の「1のA.単純印象」を算定する。
    3. 装着した場合は、1歯につき区分番号M005に掲げる装着の「1のB.その他」及び保険医療材料料を算定する。

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歯科診療報酬点数表[目次]

第1章 基本診療料

第1部 初・再診料

第2部 入院料等

第2章 特掲診療料

第1部 医学管理等

第2部 在宅医療

第3部 検査

第4部 画像診断

第5部 投薬

第6部 注射

第7部 リハビリテーション

第8部 処置

第9部 手術

第10部 麻酔

第11部 放射線治療

第12部 歯冠修復及び欠損補綴

第13部 歯科矯正

第14部 病理診断

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外部リンク

第2章 特掲診療料
【第12部歯冠修復及び
欠損補綴・目次】

在宅医療インフォメーション