第1節 初診料
A000 初診料 270点
- 保険医療機関において初診を行った場合に算定する。
- 1傷病の診療継続中に他の傷病が発生して初診を行った場合は、それらの傷病に係る初診料は、併せて1回とし、第1回の初診のときに算定する。ただし、同一保険医療機関において、同一日に他の傷病について、新たに別の診療科を初診として受診した場合は、2つ目の診療科に限り135点を算定できる。ただし書の場合においては、注3から注6までに規定する加算は算定しない。
- 6歳未満の乳幼児に対して初診を行った場合は、所定点数に75点を加算する。ただし、注4又は注5に規定する加算を算定する場合は算定しない。
- 保険医療機関が表示する診療時間以外の時間(深夜(午後10時から午前6時までの間をいう。以下この表において同じ。)及び休日を除く。以下この表において同じ。)、休日(深夜を除く。以下この表において同じ。)又は深夜において初診を行った場合は、それぞれ所定点数に85点、250点又は480点(6歳未満の乳幼児の場合においては、それぞれ所定点数に200点、365点又は695点)を加算する。ただし、専ら夜間における救急医療の確保のために設けられている保険医療機関にあっては、夜間であって別に厚生労働大臣が定める時間において初診を行った場合は、所定点数に230点(6歳未満の乳幼児の場合においては、所定点数に345点)を加算する。
- 小児科を標榜する保険医療機関(注4のただし書に規定するものを除く。)にあっては、夜間であって別に厚生労働大臣が定める時間、休日又は深夜(当該保険医療機関が表示する診療時間に限る。)において6歳未満の乳幼児に対して初診を行った場合は、注4の規定にかかわらず、それぞれ所定点数に200点、365点又は695点を加算する。
- 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関(診療所に限る。)が、午後6時(土曜日にあっては正午)から午前8時までの間(深夜及び休日を除く。)、休日又は深夜であって、当該保険医療機関が表示する診療時間内の時間において初診を行った場合は、夜間・早朝等加算として、所定点数に50点を加算する。ただし、注4のただし書又は注5に規定する加算を算定する場合にあっては、この限りでない。
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A000 初診料
- 特に初診料が算定できない旨の規定がある場合を除き、患者の傷病について医学的に初診といわれる診療行為があった場合に、初診料を算定する。なお、同一の保険医が別の医療機関において、同一の患者について診療を行った場合は、最初に診療を行った医療機関において初診料を算定する。
- 患者が異和を訴え診療を求めた場合において、診断の結果、疾病と認むべき徴候のない場合にあっても初診料を算定できる。
- 自他覚的症状がなく健康診断を目的とする受診により疾患が発見された患者について、当該保険医が、特に治療の必要性を認め治療を開始した場合には、初診料は算定できない。ただし、当該治療(初診を除く。)については、医療保険給付対象として診療報酬を算定できること。
- 3.にかかわらず、健康診断で疾患が発見された患者が、疾患を発見した保険医以外の保険医(当該疾患を発見した保険医の属する保険医療機関の保険医を除く。)において治療を開始した場合には、初診料を算定できる。
- 労災保険、健康診断、自費等(医療保険給付対象外)により傷病の治療を入院外で受けている期間中又は医療法に規定する病床に入院(当該入院についてその理由等は問わない。)している期間中にあっては、当該保険医療機関において医療保険給付対象となる診療を受けた場合においても、初診料は算定できない。
- 現に診療継続中の患者につき、新たに発生した他の傷病で初診を行った場合には、当該新たに発生した傷病について初診料は算定できない。
ただし、「注2」のただし書に規定する同一保険医療機関において、同一日に他の傷病(1つ目の診療科で診療を受けた疾病又は診療継続中の疾病と同一の疾病又は互いに関連のある疾病以外の疾病のことをいう。以下同じ。)について、新たに別の診療科(医療法上の標榜診療科のことをいう。)を初診として受診した場合(1つ目の診療科の保険医と同一の保険医から診察を受けた場合を除く。)は、現に診療継続中の診療科を除く診療科1つに限り、同ただし書の所定点数を算定できる。また、診療継続中以外の患者であって、同一日に他の傷病で2以上の診療科を初診として受診する場合においても、2つ目の診療科に限り、同ただし書の所定点数を算定できる。この場合において、「注3」から「注7」までに規定する加算は、算定できない。なお、患者が専門性の高い診療科を適切に受診できるよう保険医療機関が設置した総合外来等については、診療科とみなさず、総合外来等を受診後、新たに別の診療科を受診した場合であっても同ただし書の所定点数は算定できない。
- 患者が任意に診療を中止し、1月以上経過した後、再び同一の保険医療機関において診療を受ける場合には、その診療が同一病名又は同一症状によるものであっても、その際の診療は、初診として取り扱う。なお、この場合において、1月の期間の計算は、暦月によるものであり、例えば、2月10日~3月9日、9月15日~10月14日等と計算する。
- 7.にかかわらず、慢性疾患等明らかに同一の疾病又は負傷であると推定される場合の診療は、初診として取り扱わない。
- A保険医療機関には、検査又は画像診断の設備がないため、B保険医療機関(特別の関係にあるものを除く。)に対して、診療状況を示す文書を添えてその実施を依頼した場合には、次のように取り扱うものとする。(区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)の(5)~(7)を参照。)
- B保険医療機関が単に検査又は画像診断の設備の提供にとどまる場合
B保険医療機関においては、診療情報提供料、初診料、検査料、画像診断料等は算定できない。なお、この場合、検査料、画像診断料等を算定するA保険医療機関との間で合議の上、費用の精算を行うものとする。
- B保険医療機関が、検査又は画像診断の判読も含めて依頼を受けた場合
B保険医療機関においては、初診料、検査料、画像診断料等を算定できる。
- 乳幼児加算
初診料を算定しない場合には、特に規定する場合を除き、「注3」の乳幼児加算は、算定できない。
- 時間外加算→施設基準
- 各都道府県における医療機関の診療時間の実態、患者の受診上の便宜等を考慮して一定の時間以外の時間をもって時間外として取り扱うこととし、その標準は、概ね午前8時前と午後6時以降(土曜日の場合は、午前8時前と正午以降)及び休日加算の対象となる休日以外の日を終日休診日とする保険医療機関における当該休診日とする。
ただし、午前中及び午後6時以降を診療時間とする保険医療機関等、当該標準によることが困難な保険医療機関については、その表示する診療時間以外の時間をもって時間外として取り扱うものとする。
- aにより時間外とされる場合においても、当該保険医療機関が常態として診療応需の態勢をとり、診療時間内と同様の取扱いで診療を行っているときは、時間外の取扱いとはしない。
- 保険医療機関は診療時間をわかりやすい場所に表示する。
- 時間外加算は、保険医療機関の都合(やむを得ない事情の場合を除く。)により時間外に診療が開始された場合は算定できない。
- 時間外加算を算定する場合には、休日加算、深夜加算、時間外加算の特例又は夜間・早朝等加算については、算定しない。
- 休日加算
- 休日加算の対象となる休日とは、日曜日及び国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)第3条に規定する休日をいう。なお、1月2日及び3日並びに12月29日、30日及び31日は、休日として取り扱う。
- 休日加算は次の患者について算定できるものとする。
- 客観的に休日における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる次に掲げる保険医療機関を受診した患者
- 地域医療支援病院(医療法第4条第1項に規定する地域医療支援病院)
- 救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に基づき認定された救急病院又は救急診療所
- 「救急医療対策の整備事業について」(昭和52年医発第692号)に規定された保険医療機関又は地方自治体等の実施する救急医療対策事業の一環として位置づけられている保険医療機関
- 当該休日を休診日とする保険医療機関に、又は当該休日を診療日としている保険医療機関の診療時間以外の時間に、急病等やむを得ない理由により受診した患者(上記A以外の理由により常態として又は臨時に当該休日を診療日としている保険医療機関の診療時間内に受診した患者を除く。)
- 休日加算を算定する場合には、時間外加算、深夜加算、時間外加算の特例又は夜間・早朝等加算については、算定しない。
- 深夜加算
- 深夜加算は、初診が深夜に開始された場合に算定する。ただし、保険医療機関の都合(やむを得ない事情の場合を除く。)により深夜に診療が開始された場合は算定できない。なお、深夜とは、いずれの季節においても午後10時から午前6時までの間をいう。
- いわゆる夜間開業の保険医療機関において、当該保険医療機関の診療時間又は診療態勢が午後10時から午前6時までの間と重複している場合には、当該重複している時間帯における診療については深夜加算は認められない。
- 深夜加算は、次の患者について算定できるものとする。
- 客観的に深夜における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる次に掲げる保険医療機関を受診した患者
- 地域医療支援病院(医療法第4条第1項に規定する地域医療支援病院)
- 救急病院等を定める省令に基づき認定された救急病院又は救急診療所
- 「救急医療対策の整備事業について」に規定された保険医療機関又は地方自治体等の実施する救急医療対策事業の一環として位置づけられている保険医療機関
- 自己の表示する診療時間が深夜を含んでいない保険医療機関に、又は自己の表示する診療時間が深夜にまで及んでいる保険医療機関の当該表示する診療時間と重複していない深夜に、急病等やむを得ない理由により受診した患者(上記A以外の理由により常態として又は臨時に当該深夜時間帯を診療時間としている保険医療機関に受診した患者を除く。)
- 深夜加算を算定する場合には、時間外加算、休日加算、時間外加算の特例又は夜間・早朝等加算については、算定しない。
- 時間外加算の特例
- 当該特例の適用を受ける保険医療機関(以下「時間外特例医療機関」という。)とは、客観的に専ら夜間における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる次に掲げる保険医療機関であって、医療法第30条の3の規定に基づき都道府県が作成する医療計画に記載されている救急医療機関をいう。
- 地域医療支援病院(医療法第4条第1項に規定する地域医療支援病院)
- 救急病院等を定める省令に基づき認定された救急病院又は救急診療所
- 「救急医療対策の整備事業について」に規定された病院群輪番制病院、病院群輪番制に参加している有床診療所又は共同利用型病院
- 別に厚生労働大臣が定める時間とは、当該地域において一般の保険医療機関が概ね診療応需の態勢を解除した後、翌日に診療応需の態勢を再開するまでの時間(深夜及び休日を除く。)とし、その標準は、概ね午前8時前と午後6時以降(土曜日の場合は、午前8時前と正午以降)から、午後10時から午前6時までの間を除いた時間とする。
- 時間外特例医療機関において、休日加算又は深夜加算に該当する場合においては、時間外加算の特例を算定せず、それぞれ休日加算、深夜加算を算定する。また、時間外加算の特例を算定する場合には、時間外加算又は夜間・早朝等加算は算定しない。
- 小児科(小児外科を含む。以下この部において同じ。)を標榜する保険医療機関における夜間、休日又は深夜の診療に係る特例
- 夜間、休日及び深夜における小児診療体制の一層の確保を目的として、小児科を標榜する保険医療機関(小児科以外の診療科を併せて有する保険医療機関を含む。)について、6歳未満の乳幼児に対し、夜間、休日又は深夜を診療時間とする保険医療機関において夜間、休日又は深夜に診療が行われた場合にも、それぞれ時間外加算、休日加算又は深夜加算を算定できることとするものである。なお、診療を行う保険医が、小児科以
外を担当する保険医であっても算定できるものであること。
- 夜間であって別に厚生労働大臣が定める時間とは、当該地域において一般の保険医療機関が概ね診療応需の態勢を解除した後、翌日に診療応需の態勢を再開するまでの時間(深夜及び休日を除く。)とし、その標準は、概ね午前8時前と午後6時以降(土曜日の場合は、午前8時前と正午以降)から、午後10時から午前6時までの間を除いた時間とする。
- 休日加算の対象となる休日、深夜加算の対象となる深夜の基準は、「注4」に係る休日、深夜の基準の例によるものとする。
- 時間外加算、休日加算、深夜加算及び夜間・早朝等加算の併算定に係る取扱いは、「注4」の場合と同様である。
- 夜間・早朝等加算
- 夜間・早朝等加算は、病院勤務医の負担の軽減を図るため、軽症の救急患者を地域の身近な診療所において受け止めることが進むよう、診療所の夜間・早朝等の時間帯における診療を評価するものである。
- 表示する診療時間とは、保険医療機関が診療時間として地域に周知している時間であって、来院した患者を常に診療できる体制にある時間又は計画的に訪問診療を行う時間をいう。この場合において、患者が来院したとしても、診療を受けることのできない時間(定期的に学校医、産業医の業務として保険医療機関を不在とする時間や、地域活動や地域行事に出席するとして保険医療機関を不在とする時間を含む。)は表示する診療時間に含まない。また、診療時間として表示している時間であっても、訪問診療に要する時間以外に、常態として当該保険医療機関に医師が不在となる場合は、表示する診療
時間に含めない。
- 夜間・早朝等とは、午後6時(土曜日にあっては正午)から午前8時までの間(深夜(午後10時から午前6時までの間)及び休日を除く。)、休日又は深夜であって、当該保険医療機関が表示する診療時間内の時間とする。
- 区分番号「C000」往診料を算定した場合にも、初診料に加えて夜間・早朝等加算を算定できる。
- 夜間・早朝等加算は、当該加算の算定対象となる時間に受付を行った患者について算定するものであり、多数の患者の来院による混雑や、保険医療機関の都合(やむを得ない事情の場合を除く。)により当該加算の算定対象となる時間に診療が開始された場合は算定できない。
- 診療所の夜間・早朝等の時間帯の診療を評価した夜間・早朝等加算は、主として、保険医療機関が診療応需の態勢を解いた後において、急患等やむを得ない事由により診療を求められた場合には再び診療を行う態勢を準備しなければならないことを考慮して設けられている時間外加算、深夜加算、休日加算とは明確に区分されるものである。
- 区分番号「D282-3」コンタクトレンズ検査料、区分番号「I010」精神科ナイト・ケア、区分番号「J038」人工腎臓の注1に規定する加算又は区分番号「J038-2」持続緩徐式血液濾過の注1に規定する加算を算定する場合においては、夜間・早朝等加算は算定しない。
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- 医科初診料、医科再診料及び外来診療料並びに歯科初診料の時間外加算に係る厚生労働大臣が定める時間
当該地域において一般の保険医療機関が概ね診療応需の態勢を解除した後、翌日に診療応需の態勢を再開するまでの時間(深夜(午後十時から午前六時までの時間をいう。)及び休日を除く。)
- 医科初診料の夜間・早朝等加算の施設基準
一週当たりの診療時間が三十時間以上であること。
- 夜間・早朝等加算に関する施設基準等
- 1週間当たりの表示診療時間の合計が30時間以上の診療所である保険医療機関であること。なお、一定の決まった日又は決まった時間に行われる訪問診療の時間については、その実施する時間を表示している場合に限り、1週間当たりの表示診療時間に含めて差し支えない。
- 1.の規定にかかわらず、概ね月1回以上、当該診療所の保険医が、客観的に深夜における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる次に掲げる保険医療機関に赴き夜間・休日の診療に協力している場合は、1週間当たりの表示診療時間の合計が27時間以上でよいこと。また、当該診療所が次のB及びCの保険医療機関である場合も同様に取り扱うものであること。
- 地域医療支援病院(医療法第4条第1項に規定する地域医療支援病院)
- 救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に基づき認定された救急病院又は救急診療所
- 「救急医療対策の整備事業について(昭和52年医発第692号)」に規定された保険医療機関又は地方自治体等の実施する救急医療対策事業の一環として位置づけられている保険医療機関
- 1.及び2.の規定にかかわらず、表示診療時間とされる場合であって、当該診療機関が常態として医師が不在となる時間(訪問診療に要する時間を除く。)は、1週間当たりの表示診療時間の合計に含めない。
- 診療時間については、当該保険医療機関の建造物の外部かつ敷地内に表示し、診療可能な時間を地域に周知していること。なお、当該保険医療機関が建造物の一部を用いて開設されている場合は、当該保険医療機関の外部に表示していること。
- 届出に関する事項
夜間・早朝等加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式1を用いること。なお、当該加算の届出については実績を要しない。
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