第3節 特定入院料
→特定入院料に関する施設基準
特定入院料の通知
- 特定入院料(特殊疾患入院医療管理料、小児入院医療管理料、回復期リハビリテーション病棟入院料、特殊疾患病棟入院料、緩和ケア病棟入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神療養病棟入院料及び認知症治療病棟入院料を除く。以下この項において同じ。)は、1回の入院について、当該治療室に入院させた連続する期間1回に限り算定できるものであり、1回の入院期間中に、当該特定入院料を算定した後に、入院基本料又は他の特定入院料を算定し、再度同一の特定入院料を算定することはできない。
ただし、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、新生児特定集中治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料(新生児集中治療室管理料を算定するものに限る。)及び新生児治療回復室入院医療管理料については、前段の規定にかかわらず、1回の入院期間中に当該特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、新生児特定集中治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料(新生児集中治療室管理料を算定するものに限る。)又は新生児治療回復室入院医療管理料を算定した後に、入院基本料又は他の特定入院料を算定し、再度病状が悪化して当該特定集中治療室、ハイケアユニット入院医療管理を行う専用の治療室、脳卒中ケアユニット入院医療管理を行う専用の治療室、新生児特定集中治療室、総合周産期特定集中治療室(新生児集中治療室管理料を算定するものに限る。)又は新生児治療回復室入院医療管理料を算定する治療室へ入院させた場合には、これを算定できるものとする。
- 特定入院料を算定できる2以上の治療室に患者を入院させた場合において、特定入院料を算定できる日数の限度は、他の特定入院料を算定した日数を控除して計算するものとする。例えば、救命救急入院料を算定した後、ハイケアユニット入院医療管理を行う専用の治療室に入院させた場合においては、21日から救命救急入院料を算定した日数を控除して得た日数を限度として、ハイケアユニット入院医療管理料を算定する。
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A300 救命救急入院料(1日につき)
- 救命救急入院料1
- 3日以内の期間…9,700点
- 4日以上 7日以内の期間…8,775点
- 8日以上14日以内の期間…7,490点
- 救命救急入院料2
- 3日以内の期間…11,200点
- 4日以上 7日以内の期間…10,140点
- 8日以上14日以内の期間…8,890点
- 救命救急入院料3
- 救命救急入院料
- 3日以内の期間…9,700点
- 4日以上 7日以内の期間…8,775点
- 8日以上14日以内の期間…7,490点
- 広範囲熱傷特定集中治療管理料
- 3日以内の期間…9,700点
- 4日以上 7日以内の期間…8,775点
- 8日以上60日以内の期間…7,890点
- 救命救急入院料4
- 救命救急入院料
- 3日以内の期間…11,200点
- 4日以上 7日以内の期間…10,140点
- 8日以上14日以内の期間…8,890点
- 広範囲熱傷特定集中治療管理料
- 3日以内の期間…11,200点
- 4日以上 7日以内の期間…10,140点
- 8日以上14日以内の期間…8,890点
- 15日以上60日以内の期間…7,890点
- 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等
に届け出た保険医療機関において、重篤な患者に対して救命救急医療が行われた場合に、当該基準に係る区分及び当該患者の状態について別に厚生労働大臣が定める区分(救命救急入院料3及び救命救急入院料4に限る。)に従い、14日(別に厚生労働大臣が定める状態の患者(救命救急入院料3又は救命救急入院料4に係る届出を行った保険医療機関に入院した患者に限る。)にあっては60日)を限
度として、それぞれ所定点数を算定する。
- 当該保険医療機関において、自殺企図等による重篤な患者であって精神疾患を有するもの又はその家族等からの情報等に基づいて、当該保険医療機関の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第18条第1項に規定する精神保健指定医(以下この表において「精神保健指定医」という。)が、当該患者の精神疾患にかかわる診断治療等を行った場合は、当該精神保健指定医による最初の診療時に限り、所定点数に3,000点を加算する。
- 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において救命救急医療が行われた場合には、1日につき所定点数に1,000点を加算する。
- 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において救命救急医療が行われた場合には、1日につき所定点数に500点を加算する。
- 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において救命救急医療が行われた場合には、1日につき所定点数に100点を加算する。
- 注5に規定する加算を算定する保険医療機関において、急性薬毒物中毒の患者に対して救命救急医療が行われた場合には、入院初日に限り所定点数に5,000点を加算する。
- 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、15歳未満の重篤な患者に対して救命救急医療が行われた場合には、小児加算として、入院初日に限り所定点数に5,000点を加算する。
- 第1章基本診療料並びに第2章第3部検査、第6部注射、第9部処置及び第13部病理診断のうち次に掲げるものは、救命救急入院料に含まれるものとする。
- 入院基本料
- 入院基本料等加算(臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、妊産婦緊急搬送入院加算、医師事務作業補助体制加算(特定機能病院の病棟を除く。)、地域加算、離島加算、栄養管理実施加算、医療安全対策加算、褥瘡患者管理加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、新生児特定集中治療室退院調整加算及び救急搬送患者地域連携紹介加算を除く。)
- 第2章第3部の各区分の検査(同部第1節第2款の検体検査判断料を除く。)
- 点滴注射
- 中心静脈注射
- 酸素吸入(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)
- 留置カテーテル設置
- 第13部第1節の病理標本作製料
- 医師事務作業補助体制加算は、地域の急性期医療を担う保険医療機関(特定機能病院を除く。)において、病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に対する体制を確保することを目的として、医師、医療関係職員、事務職員等との間での業務の役割分担を推進し、医師の事務作業を補助する専従者(以下「医師事務作業補助者」という。)を配置している体制を評価するものである。
- 医師事務作業補助体制加算は、当該患者の入院初日に限り算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。
- 医師事務作業補助者の業務は、医師(歯科医師を含む。)の指示の下に、診断書などの文書作成補助、診療記録への代行入力、医療の質の向上に資する事務作業(診療に関するデータ整理、院内がん登録等の統計・調査、医師の教育や臨床研修のカンファレンスのための準備作業等)並びに行政上の業務(救急医療情報システムへの入力、感染症サーベイランス事業に係る入力等)への対応に限定するものであること。なお、医師以外の職種の指示の下に行う業務、診療報酬の請求事務(DPCのコーディングに係る業務を含む。)、窓口・受付業務、医療機関の経営、運営のためのデータ収集業務、看護業務の補助並びに物品運搬業務等については医師事務作業補助者の業務としないこと。
- 医師事務作業補助者は、院内の医師の業務状況等を勘案して配置することとし、病棟における業務以外にも、外来における業務や、医師の指示の下であれば、例えば文書作成業務専門の部屋等における業務も行うことができる。
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A300 救命救急入院料
- 救命救急入院料の算定対象となる重篤な救急患者とは、次に掲げる状態にあって、医師が救命救急入院が必要であると認めた者であること。
- 意識障害又は昏睡
- 急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪
- 急性心不全(心筋梗塞を含む。)
- 急性薬物中毒
- ショック
- 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)
- 広範囲熱傷
- 大手術を必要とする状態
- 救急蘇生後
- その他外傷、破傷風等で重篤な状態
- 広範囲熱傷特定集中治療管理料の算定対象となる患者とは、第2度熱傷30%程度以上の重症広範囲熱傷患者であって、医師が広範囲熱傷特定集中治療が必要であると認めた者であること。なお、熱傷には電撃傷、薬傷及び凍傷が含まれる。
- 救命救急入院料は、救命救急医療に係る入院初期の医療を重点的に評価したものであり、救命救急入院後症状の安定等により他病棟に転棟した患者又は他病棟に入院中の患者が症状の増悪等をきたしたことにより当該救命救急センターに転棟した場合にあっては、救命救急入院料は算定できない。
- 「注2」に掲げる加算については、自殺企図及び自傷又はそれが疑われる行為により医師が救命救急入院が必要であると認めた重篤な患者であって、統合失調症、躁うつ病、神経症、中毒性精神障害(アルコール依存症等をいう。)、心因反応、児童・思春期精神疾
患、人格障害又は精神症状を伴う脳器質性障害等(以下この節において「精神疾患」という。)を有する患者又はその家族等に対して、精神保健福祉法第18条第1項に規定する精神保健指定医(以下この節において「精神保健指定医」という。)が、患者又は家族等からの情報を得て、精神疾患に対する診断治療等を行った場合に算定する。
- 「注6」に掲げる加算については急性薬毒物中毒(催眠鎮静剤、抗不安剤による中毒を除く。)が疑われる患者に対して原因物質の分析等、必要な救命救急管理を実施した場合に算定する。
- 「注7」に掲げる小児加算については、専任の小児科の医師が常時配置されている保険医療機関において、15歳未満の重篤な救急患者に対して救命救急医療が行われた場合に入院初日に限り算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。
- 救命救急入院料に係る算定要件に該当しない患者が、当該治療室に入院した場合には、入院基本料等を算定する。
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→施設基準の通知
救命救急入院料の施設基準
- 救命救命入院料の注1に規定する入院基本料の施設基準
- 救命救急入院料1の施設基準
- 都道府県が定める救急医療に関する計画に基づいて運営される救命救急センターを有している病院の一般病棟の治療室を単位として行うものであること。
- 当該治療室内に重篤な救急患者に対する医療を行うにつき必要な医師及び看護師が常時配置されていること。
- 重篤な救急患者に対する医療を行うにつき十分な専用施設を有していること。
- 救命救急入院料2の施設基準
救命救急入院料1の施設基準のほか、特定集中治療室管理料1の施設基準を満たすものであること。
- 救命救急入院料3の施設基準
次のいずれにも該当するものであること。
- 救命救急入院料1の施設基準を満たすものであること。
- 広範囲熱傷特定集中治療を行うにつき十分な体制が整備されていること。
- 救命救急入院料4の施設基準
次のいずれにも該当するものであること。
- 救命救急入院料2の施設基準を満たすものであること。
- 広範囲熱傷特定集中治療を行うにつき十分な体制が整備されていること。
- 救命救急入院料の注1に規定する厚生労働大臣が定める区分
- 救命救急入院料
広範囲熱傷特定集中治療管理が必要な患者以外の患者
- 広範囲熱傷特定集中治療管理料
広範囲熱傷特定集中治療管理が必要な患者
- 救命救急入院料の注1に規定する厚生労働大臣が定める状態
広範囲熱傷特定集中治療管理が必要な状態
- 救命救急入院料の注3に規定する厚生労働大臣が定める施設基準
- 重篤な救急患者に対する医療を行うにつき十分な体制が整備されていること。
- 病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制が整備されていること。
- 救命救急入院料の注4に規定する厚生労働大臣が定める施設基準
重篤な救急患者に対する医療を行うにつき必要な体制が整備されていること。
- 救命救急入院料の注5に規定する厚生労働大臣が定める施設基準
重篤な救急患者に対して高度な医療を行うにつき十分な体制が整備されていること。
- 救命救急入院料の注7に規定する厚生労働大臣が定める施設基準
当該保険医療機関内に、専任の小児科の医師が常時配置されていること。
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第1 救命救急入院料
1 救命救急入院料1に関する施設基準
- 専任の医師が、午前0時より午後12時までの間常に(以下「常時」という。)救命救急センター内に勤務しているとともに、手術に必要な麻酔科医等が緊急時に速やかに対応できる体制がとられていること。
- 重篤な救急患者に対する手術等の診療体制に必要な看護師が常時救命救急センター内に勤務していること。
- 重篤な救急患者に対する医療を行うのに必要な次に掲げる装置及び器具を救命救急センター内に常時備え付けていること。
- 救急蘇生装置(気管内挿管セット、人工呼吸装置等)
- 除細動器
- ペースメーカー
- 心電計
- ポータブルエックス線撮影装置
- 呼吸循環監視装置
- 自家発電装置を有している病院であって、当該病院において電解質定量検査、血液ガス分析を含む必要な検査が常時実施できること。なお、当該センター以外の病床を有しない病院は、一般病棟入院基本料の届出も同時に行うこと。
- 当該センター勤務の医師及び看護師は、当該センターに勤務している時間帯は、当該センター以外での当直勤務を併せて行わないものとすること。
2 救命救急入院料2に関する施設基準
救命救急入院料1の施設基準を満たすほか、特定集中治療室管理料1の施設基準を満たすものであること。
3 救命救急入院料3に関する施設基準
- 救命救急入院料1の施設基準を満たすほか、広範囲熱傷特定集中治療管理を行うにふさわしい治療室を有しており、当該治療室の広さは、1床当たり15平方メートル以上であること。
- 当該保険医療機関に広範囲熱傷特定集中治療を担当する常勤の医師が勤務していること。
4 救命救急入院料4に関する施設基準
- 救命救急入院料2の施設基準を満たすほか、広範囲熱傷特定集中治療管理を行うにふさわしい治療室を有しており、当該治療室の広さは、1床当たり15平方メートル以上であること。
- 当該保険医療機関に広範囲熱傷特定集中治療を担当する常勤の医師が勤務していること。
5 救命救急入院料の「注3」に掲げる加算の施設基準
- 「救命救急センターの新しい評価基準について」(平成21年3月31日医政指発第03311001号。以下、「新評価基準」という。)の救命救急センターの評価基準に基づく評価が充実段階Aであるものであること。なお、当該評価の結果が出るまでの間は、「医療施設運営費等補助金、地域医療対策費等補助金及び中毒情報基盤整備事業費補助金交付要綱」(平成10年6月24日厚生省発健政第137号)別紙2の救命救急センターの評価基準に基づく評価が充実段階Aであるものであること。
- 病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制が整備されていること。当該体制については、別添3の第1の1の(5)と同様であること。
6 救命救急入院料の「注4」に掲げる加算の施設基準
新評価基準の救命救急センターの評価基準に基づく評価が充実段階Bであるものであること。
7 救命救急入院料の「注5」に掲げる加算の施設基準
「救急医療対策事業実施要綱」(昭和52年7月6日医発第692号)第9に規定する高度救命救急センターであること。
8 救命救急入院料の「注7」に掲げる小児加算の施設基準
専任の小児科の医師が常時配置されている保険医療機関であること。
9 届出に関する事項
救命救急入院料の施設基準に係る届出は、別添7の様式42を用いること。また、当該センターの配置図及び平面図(面積等のわかるもの。)を添付すること。なお、当該センターに勤務する従事者並びに当該病院に勤務する臨床検査技師、衛生検査技師、診療放射線技師及び診療エックス線技師については、別添7の様式20を用いること。
また、「注3」に掲げる加算の施設基準のうち病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制に係る届出は、別添7の様式13の2を用いること。なお、毎年4月において、前年度における病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に資する計画の成果を評価するため、別添7の様式13の2を届け出ること。別添7の様式13の2については、病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に関して効果評価を行うために記載を求めるものであるが、効果評価のための指標については、さらに多面的な指標を用いる可能性があり、また、病院勤務医の勤務時間や当直回数等については、今後、報告を求める可能性があるため、各病院は勤務医ごとに把握し、その記録を2年間は保管すること。
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