A234 医療安全対策加算(入院初日)

  1. 医療安全対策加算1 85点
  2. 医療安全対策加算2 35点
  1. 別に厚生労働大臣が定める組織的な医療安全対策に係る施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く。)、第3節の特定入院料又は第4節 の短期滞在手術基本料のうち、医療安全対策加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、当該基準に係る区分に従い、入院初日に限りそれぞれ所定点数に加算する。
  2. 組織的な感染防止対策に係る別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者については、感染防止対策加算として、更に所定点数に100点を加算する。

A234 医療安全対策加算

  1. 医療安全対策加算
    1. 医療安全対策加算は、組織的な医療安全対策を実施している保険医療機関を評価したものであり、当該保険医療機関に入院している患者について、入院期間中1回に限り、入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。
    2. 組織的な医療安全対策とは、医療安全管理部門に所属する医療安全管理者が、医療安全管理委員会と連携しつつ、当該保険医療機関の医療安全に係る状況を把握し、その分析結果に基づいて医療安全確保のための業務改善等を継続的に実施していることをいう。
    3. 医療安全確保のための職員研修を計画的に実施するとともに、医療安全管理者が必要に応じて各部門における医療安全管理の担当者への支援を実施し、その結果を記録していること。
  2. 感染防止対策加算
    1. 「注2」の感染防止対策加算は、第2部通則7に規定する院内感染防止対策を行った上で、更に院内に感染防止対策のチームを設置し、院内感染状況の把握、抗菌薬の適正使用、職員の感染防止等を行うことで院内感染防止を行うことを評価するものである。
    2. 感染防止対策チームは以下の業務を行うものとする。
      1. 感染防止対策チームは、1週間に1回程度、定期的に院内を巡回し、院内感染事例の把握を行うとともに、院内感染防止対策の実施状況の把握・指導を行う。また、院内感染事例、院内感染の発生率に関するサーベイランス等の情報を分析、評価し、効率的な感染対策に役立てる。院内感染の増加が確認された場合には病棟ラウンドの所見及びサーベイランスデータ等を基に改善策を講じる。巡回、院内感染に関す る情報を記録に残す。
      2. 感染防止対策チームは微生物学的検査を適宜利用し、抗菌薬の適正使用を推進する。バンコマイシン等の抗MRSA薬及び広域抗菌薬等の使用に際して届出制等をとり、投与量、投与期間の把握を行い、臨床上問題となると判断した場合には、投与方法の適正化をはかる。
      3. 感染防止対策チームは院内感染対策を目的とした職員の研修を行う。また院内感染に関するマニュアルを作成し、職員がそのマニュアルを遵守していることを巡回時に確認する。

基本診療料の施設基準

施設基準の通知

医療安全対策加算の施設基準等

  1. 医療安全対策加算の施設基準
    1. 医療安全対策加算1の施設基準
      1. 医療安全対策に係る研修を受けた専従の薬剤師、看護師等が医療安全管理者として配置されていること。
      2. 当該保険医療機関内に医療安全管理部門を設置し、組織的に医療安全対策を実施する体制が整備されていること。
      3. 当該保険医療機関内に患者相談窓口を設置していること。
    2. 医療安全対策加算2の施設基準
      1. 医療安全対策に係る研修を受けた専任の薬剤師、看護師等が医療安全管理者として配置されていること。
      2. Bの2.及び3.の要件を満たしていること。
  2. 感染防止対策加算の施設基準
    1. 医療安全対策加算1に係る届出を行った保険医療機関であること。
    2. 当該保険医療機関内に感染防止対策部門を設置し、組織的に感染防止対策を実施する体制が整備されていること。

第20 医療安全対策加算

1 医療安全対策加算1に関する施設基準
  1. 医療安全管理体制に関する基準
    1. 当該保険医療機関内に、医療安全対策に係る適切な研修を修了した専従の看護師、薬剤師その他の医療有資格者が医療安全管理者として配置されていること。なお、ここでいう適切な研修とは、次に掲げる全ての事項に該当するものをいう。また、既に受講している研修がこれらの事項を満たしていない場合には、不足する事項を補足する研修を追加受講することで差し支えない。
      1. 国及び医療関係団体等(医療安全管理者の養成を目的とした医療安全管理者養成研修を行っている国立保健医療科学院や日本医療機能評価機構等)が主催するものであること。
      2. 医療安全管理者としての業務を実施する上で必要な内容を含む通算して40時間以上又は5日程度のものであること。
      3. 講義又は具体例に基づく演習等により、医療安全の基礎的知識、安全管理体制の構築、医療安全についての職員に対する研修の企画・運営、医療安全に資する情報収集と分析、対策立案、フィードバック、評価、事故発生時の対応、安全文化の醸成等について研修するものであること。
    2. 医療に係る安全管理を行う部門(以下「医療安全管理部門」という。)を設置していること。
    3. 医療安全管理部門の業務指針及び医療安全管理者の具体的な業務内容が整備されていること。
    4. 医療安全管理部門に診療部門、薬剤部門、看護部門、事務部門等のすべての部門の専任の職員が配置されていること。
    5. 医療安全管理者が、安全管理のための委員会(以下「医療安全管理対策委員会」という。)と連携し、より実効性のある医療安全対策を実施できる体制が整備されていること。
    6. 専任の院内感染管理者が配置されていること。なお、Aの医療安全管理者とは兼任できないこと。
    7. 当該保険医療機関の見やすい場所に医療安全管理者等による相談及び支援が受けられる旨の掲示をするなど、患者に対して必要な情報提供が行われていること。
  2. 医療安全管理者の行う業務に関する事項
    1. 安全管理部門の業務に関する企画立案及び評価を行うこと。
    2. 定期的に院内を巡回し各部門における医療安全対策の実施状況を把握・分析し、医療安全確保のために必要な業務改善等の具体的な対策を推進すること。
    3. 各部門における医療事故防止担当者への支援を行うこと。
    4. 医療安全対策の体制確保のための各部門との調整を行うこと。
    5. 医療安全対策に係る体制を確保するための職員研修を企画・実施すること。
    6. 相談窓口等の担当者と密接な連携を図り、医療安全対策に係る患者・家族の相談に適切に応じる体制を支援すること。
  3. 医療安全管理部門が行う業務に関する基準
    1. 各部門における医療安全対策の実施状況の評価に基づき、医療安全確保のための業務改善計画書を作成し、それに基づく医療安全対策の実施状況及び評価結果を記録していること。
    2. 医療安全管理対策委員会との連携状況、院内研修の実績、患者等の相談件数及び相談内容、相談後の取扱い、その他の医療安全管理者の活動実績を記録していること。
    3. 医療安全対策に係る取組の評価等を行うカンファレンスが週1回程度開催されており、医療安全管理対策委員会の構成員及び必要に応じて各部門の医療安全管理の担当者等が参加していること。
2 医療安全対策加算2に関する施設基準
  1. 医療安全管理体制に関する基準
    1. 当該保険医療機関内に、医療安全対策に係る適切な研修を修了した専任の看護師、薬剤師その他の医療有資格者が医療安全管理者として配置されていること。なお、ここでいう適切な研修とは、1の1.のAに掲げる研修である。
    2. 1の1.のBからGの基準を満たすこと。
  2. 1の2.及び3.の基準を満たすこと。
3 感染防止対策加算の施設基準
  1. 医療安全対策加算1に係る届出を行っていること。
  2. 感染防止に係る部門(以下「感染防止対策部門」という。)を設置していること。ただし、医療安全管理部門をもって感染防止対策部門としてもよい。
  3. 2.に掲げる部門内に以下の構成員からなる感染防止対策チームを組織し、感染防止に係る日常業務を行うこと。

    1. 感染症対策に3年以上の経験を有する専任の常勤医師(歯科医療を担当する保険医療機関にあっては、当該経験を有する専任の常勤歯科医師)
    2. 5年以上感染管理に従事した経験を有し、感染管理に係る適切な研修を修了した専任の看護師。なお、ここでいう研修とは、次の事項に該当する研修のことをいう。
      1. 国及び医療関係団体等が主催する研修であること。(6月以上の研修期間で、修了証が交付されるもの)
      2. 感染管理のための専門的な知識・技術を有する看護師の養成を目的とした研修であること。
      3. 講義及び演習により、次の内容を含むものであること。
        • 感染予防・管理システム
        • 医療関連感染サーベイランス
        • 感染防止技術
        • 職業感染管理
        • 感染管理指導
        • 感染管理相談
        • 洗浄・消毒・滅菌とファシリティマネジメント等について
    3. 3年以上の病院勤務経験をもつ感染防止対策にかかわる専任の薬剤師
    4. 3年以上の病院勤務経験をもつ専任の臨床検査技師
    5. Aに定める医師又はイに定める看護師のうち1名は専従であること。

    当該保険医療機関内に上記のAからDに定める者のうち1名が院内感染管理者として配置されていること。なお、当該職員は1の1.のFに掲げる院内感染管理者(医療安全対策加算に規定するもの)を兼ねることができる。また、第2部通則7に規定する院内感染防止 対策に掲げる業務を行うことができる。

  4. 感染防止対策の業務指針及び院内感染管理者若しくは院内感染防止対策チームの具体的業務内容が整備されていること。
  5. 3.に掲げるチームにより、最新のエビデンスに基づき、自施設の実情に合わせた標準予防策、感染経路別予防策、職業感染予防策、疾患別感染対策、洗浄・消毒・滅菌、抗菌薬適正使用等の内容を盛り込んだ手順書(マニュアル)を作成し、各部署に配布していること。なお、手順書は定期的に新しい知見を取り入れ改訂すること。
  6. 3.に掲げるチームにより、職員を対象として、少なくとも年2回程度、定期的に院内感染対策に関する研修を行っていること。なお当該研修は別添2の第1の3の(5)に規定する安全管理の体制確保のための職員研修とは別に行うこと。
  7. 院内の抗菌薬の適正使用を監視するための体制を有すること。特に、特定抗菌薬(広域スペクトラムを有する抗菌薬、抗MRSA薬等)については、届出制又は許可制の体制をとること。
  8. 地域や全国のサーベイランスに参加していることが望ましい。
4 届出に関する事項

医療安全対策加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式35を用いること。感染防止対策加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式35の2を用いること。

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医科診療報酬点数表[目次]

第1章 基本診療料

第1部 初・再診料

第2部 入院料等

第2章 特掲診療料

通則

第1部 医学管理等

第2部 在宅医療

第3部 検査

第4部 画像診断

第5部 投薬

第6部 注射

第7部 リハビリテーション

第8部 精神科専門療法

第9部 処置

第10部 手術|目次

第11部 麻酔

第12部 放射線治療

第13部 病理診断

第3章 介護老人保健施設入所者に係る診療料

第1部 併設保険医療機関の療養に関する事項

第2部 併設保険医療機関以外の保険医療機関の療養に関する事項

第4章 経過措置

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外部リンク

第1章 基本診療料
【目次】

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